「ななつ星」「瑞風」の“大先輩”を堪能 「超高級トラベルガイド」豪華列車の世界

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1泊50万円「カシオペアスイート」

 廃止を惜しむ声もあり、旅行会社大手のクラブツーリズムが扱うツアーは、この幻の豪華列車を再び蘇らせ、9月末まで東北を中心に運行しているのだ。

 同社の大塚雅士氏の話。

「『デビュー当時に乗ったことがあり、本当になくなってしまう前に一度乗りたい』というお客様が多くいらっしゃいます。最後尾の車両はカシオペアスイートと呼ばれ、おひとり様1泊50万円しますが、一番人気のお部屋です。先頭はラウンジカーになっており、車窓を眺めてずっとくつろいでいらっしゃる方もおられます」

 ちなみに、「カシオペア」の運行開始は1999年と、今から20年近く前。当時の自分は何をしていたか、列車に乗って感慨に浸る乗客が多いという。

「『昔から一度乗ってみたかった』『乗った思い出が蘇った』という感想も多くいただいております。食事の美味しさも魅力で、私も実際に乗ったことがありますが、食材にこだわっており、フルーツや野菜など生鮮食品がふんだんに使用され、非常にレベルが高いです」(同)

 若かりし頃に憧れた列車で、優雅にディナーを楽しむ――大人にだけ許された愉楽の時間である。

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(3)へつづく

斎藤岬(さいとう・みさき)
1986年生まれ。雑誌編集者を経て、フリーランスに。ビジネス誌やWEB媒体で編集・執筆を手がけている。

週刊新潮 2017年8月17・24日夏季特大号掲載

特別読物「『海老蔵』歌舞伎鑑賞に世界遺産『平等院』貸切!! 『超豪華列車』『VIP客船』で行く 超高級トラベルガイド」より

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