「海老蔵」歌舞伎鑑賞、「平等院」貸切！ 「超高級トラベルガイド」豪華ツアーの世界
「超豪華列車」「VIP客船」で行く超高級トラベルガイド（1）
旅行業界では夏を「ハイシーズン」と呼ぶ。繁忙期にあたるこの季節は、通常より割高な料金を設定しているのだ。ならば安価な旅をと願うのは世の常だが、それとは真逆の世界が日本には存在した。ライターの斎藤岬さんによる超高級トラベルガイドをお届けする。第1弾は下手な海外旅行より高額な「豪華国内ツアー」の旅だ。
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格安航空会社やバス会社の熾烈な競争で、国内のツアー旅行といえば、京都1泊2日2万円、沖縄2泊3日3万円などの“格安旅”が目につく。旅行会社に並ぶチラシやウェブも百花繚乱だが、ここ数年、それらとは対極にある豪奢なパッケージツアーが密かなブームとなっているのだ。
初めに紹介するのは、9月18日に出発予定の「『市川海老蔵 金峯山寺（きんぷせんじ）奉納舞踊公演』と伝統の奈良ホテルフランス料理を愉しむ2日間」。お値段は1名1室16万3000円と聞けば、下手な海外旅行より割高な印象を受けてしまう。
果たして価格に見合う旅なのか……。その中身を覗いてみる。
まず初日は、東京から新幹線のグリーン車を使い、千本桜で有名な奈良・吉野山へと足を運ぶ。その日のメインは、吉野のシンボルとして名高い金峯山寺蔵王堂にある特設舞台。東大寺大仏殿に次ぐ木造大建築を間近に、市川海老蔵らが出演する歌舞伎十八番の「勧進帳」などを鑑賞するというもの。翌日は“関西の迎賓館”と呼ばれ皇族をはじめVIP御用達の、創業100年余りの歴史を誇る奈良ホテルで、伝統のフランス料理を味わえるのだ。
主催する旅行会社最大手のJTB夢の休日デスク総支配人の井上完之氏が言う。
「歌舞伎では、最前列や前方の良席を確約したツアーになっております。普段接することのできないもの、なかなか買うことのできない体験を、少数限定でお楽しみいただくのが『夢の休日』のコンセプトです。60代から90代まで、幅広い方にご参加いただいております」
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