新財務次官、妻は「リクルート汚職次官」の娘だった

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お見合い結婚

 出世を約束された福田財務次官が結婚したのは入省後間もなく、主税局の課長補佐時代だったという。

 そのお相手が、のちにリクルート事件の渦中に身を投じることになる高石元文部次官の長女だった。

 あらためて、リクルート事件を振り返ってみる。

 88年、リクルートの江副浩正会長(当時)が有力政治家や高級官僚などに子会社であるリクルートコスモスの未公開株を賄賂として譲渡していたことが明るみに出た。東京地検特捜部が捜査に乗り出し、政界ルートでは藤波孝生元官房長官らが収賄罪に問われ、一大疑獄事件へと発展。竹下内閣は退陣を余儀なくされる。そして、文部省ルートで浮かび上がったのが、高石元文部次官だった。1万株を手にしたことが発覚し、89年、逮捕の憂き目に。だが、その翌年、裁判中の身にもかかわらず、政治家を志し、衆院選に出馬するも落選。裁判は最高裁まで争い、2002年に懲役2年6カ月執行猶予4年の有罪判決が確定した。

 福田財務次官の親族に聞くと、

「2人が結婚したのは、リクルート事件が発覚するちょっと前のことです。上司でのちに次官になった篠沢恭助さんからの紹介で、お見合いをしたのです。高石さんの娘さんは2つ年下で、全日空で事務職をしていたのですが、結婚を機に専業主婦になった。こちらから事件について訊ねることはなかったですが、高石さんの奥さんが、“勧められて、悪いとは気づかずにやってしまった”と説明していたことはありました」

 夫婦の間にも、リクルート事件が影を落とすことはなかったという。

 さて、福田財務次官に、岳父について話を聞こうとしたものの、答えてもらえず。

 一方、高石元文部次官に取材しようとすると、代わって夫人が、「娘に迷惑がかかるといけないので……」と語るのみだった。

 その娘は、官僚トップに上り詰めながら晩節を汚してしまった父の経験を、内助の功に活かせるか。

週刊新潮 2017年8月17・24日夏季特大号掲載

ワイド特集「『おんな城主』槿花一日の栄」より

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