乙武洋匡「5人不倫」第2幕 「ワイドナショー」で語った身勝手な言い分
禊の場となった「ワイドナショー」
遡ること9カ月の昨年11月27日。日曜日だったこの日、長閑(のど)かな休日の午前、乙武氏は半年超の「不倫謹慎」後、初めて地上波のテレビに登場していた。フジテレビの「ワイドナショー」。この番組でのご意見番の発言はすぐにネットに流され、発言そのものがニュースとなるほどの影響力を誇る。そのご意見番、ダウンタウンの松本人志(53)がメインコメンテーターを務める同番組に、乙武氏はVTR出演したのである。
昨年3月、本誌(「週刊新潮」)が〈一夫一婦制では不満足「乙武クン」5人との不倫〉と題して報じたことで明るみに出た乙武氏の不貞行為。以来、彼は表舞台から姿を消していたが、この日の「ワイドナショー」で“復活”を果たし、以後、橋下徹・前大阪市長の番組や雑誌等で言論活動を再開していく。つまり乙武氏にとって、松本人志の「ワイドナショー」は「禊(みそぎ)」の場となったのだ。
〈乙武さんが今どんな生活をしているのかが気になります〉
という視聴者からの要望が文字で映され、以降、同番組では約25分にわたって「乙武コーナー」が続いた。別居・離婚後、彼が暮らしてきたというマンションの一室を、松本、吉本興業の後輩芸人であり、同番組のMCを務める東野幸治ら一行が訪れたVTRが放送されたのだ。
「今もここでひとりで?」
かねて乙武氏と番組で共演していた松本が尋ねる。
「はい、生活をしております」
と、答える乙武氏。続けて、不倫発覚からこの日までメディア露出を控え、ひとり暮らしで何をしているのか聞かれた彼は、
「ずーっと(家に)いますね」
「本当に、これまではありがたいことに、いろいろ忙しく飛び回らせていただいていたので、もう本当こう、ある意味謹慎生活と言いますか、ずーっと家の中で籠っていて……」
こう「しおらしい」態度を見せた。そして、不倫発覚から離婚に至るまでの経緯を説明し始めたのだった。
「まあ、私がしでかしたこと自体は、妻はずっと前から知っていたことなので、それ自体っていうのは特にふたり(夫人と)の間で揉め事になることはなかったんですけど」
「世間様からはいろいろ思うことがあると思うんですけど、まあ、まあ、家族の中ではそういうことで成り立ってたんですけど、まあやっぱりこう、あれだけ大きな騒ぎになって、あっ、乙武洋匡の妻っていうのはこういうことになるんだっていう、ちょっとこう……」
「ある程度覚悟していた部分はあったと思うんですけど、想像以上の騒ぎになってしまって」
「やっぱり、子ども(乙武氏と元夫人の間には3人の子どもがいる)を一番に守りたいっていうのが強かったと思うんですよね」
「離れたほうが子どもたちのためっていうのが、やっぱり大きかったのかなあ……」
とどのつまり、こういうことになる。乙武氏が5人の女性と不倫を重ねていたことは夫人も了承していたので問題にはならなかった。しかし、それが表沙汰になり、その反響のあまりの大きさに夫人は驚き、子どもを守るために離婚を決断した──。
松本ら一行は、この「よくできたストーリー」に納得したのかもしれない。しかし、彼らの意識の中から、すっぽりと抜け落ちていた要素がある。もう一方の当事者、乙武氏の元夫人である仁美さんの思いだ。果たして彼女は、「ワイドナショー」での乙武氏の説明をどのように受け止めたのだろうか。それは、今回の提訴という事態が雄弁に物語っていた。
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