続くトランプの日本叩き…戦後の日本を支えた「対米ロビイスト」に学べ

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FEC―230

 そしてもう一つがGHQの上部組織の極東委員会に提出された機密文書、FEC―230への批判だった。これは「日本の過度経済力集中排除計画」とのタイトルがついた文書で、戦争遂行能力を取り除くために徹底した財閥解体を提言していた。

 この文書の存在を知ったジャパン・ロビーは米有力誌ニューズウィークに内容をリークして反対キャンペーンを開始し、軌道修正させるのに成功した。これらの活動に菅原は私財を投じて事務所を提供するなど黒子役に徹し、それを生涯誇りにしていたようだ。1984年1月にFEC―230文書が米国で機密解除されると、わざわざ彼はそれを入手し、メッセージを添えてトヨタ幹部に送っていた。

「約40年前の文書なので入手に大変苦労したが、同封したFEC―230にどうか丁寧に目を通して戴きたい。もしこれを私たちが阻止しなかったら(戦後の日本の)大企業の発展は実現しなかったと思う」(1984年1月13日付け、加藤誠之への書簡)

「もし私たちが成功しなかったならトヨタのような大企業はこれほど急成長を遂げられなかったはずである」(1984年2月1日付け、トヨタ副社長の神尾秀雄への書簡)

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