「錦織」実父、観月あことの交際に反対 思わずもらした「彼女は悪い娘」の胸中は
会場での様子
実際、ワシントンで目撃されたのも、「前に」出る観月の姿だった。あたかも錦織のパートナーとしての立場を周囲にアピールするかのように――。
今大会、第2シードの錦織は2回戦からの登場で、相手はアメリカのドナルド・ヤングだった。試合会場の入場ゲート脇にトヨタのRV車が横付けされたのは、8月1日の17時過ぎ(現地時間)。下車したのは、試合直前練習のために会場を訪れた錦織の他、アルゼンチン人コーチのダンテ・ボッティーニ、日本人フィジカルトレーナーの中尾公一、そして観月である。ちなみにコーチのマイケル・チャンは今回のような小規模な大会には帯同しないのだといい、確かに姿が見えなかった。
まず先頭で入場口へと歩いていったのが観月。その後ろにテニスバッグを肩に担いだ錦織が続く。観月は黒い野球帽、グレーのTシャツ、タイトなジーンズ、コンバースのスニーカーという格好で、銀色の大きなトートバッグを持ち、緑を基調としたチェックのシャツを腰に巻いていた。
入場ゲートでは、一般の観客だけではなく、全ての関係者がセキュリティチェックを受けることになっており、最初に受けたのは観月。バッグの中身を係員に視認でチェックしてもらい、オーケーが出ると中へ。後に続いた錦織は選手だからチェックなしだと思ったのか、係員に一言二言声をかけ、通り過ぎようとするも、呼び戻され、バッグの中をチェックされることになって苦笑い。錦織がチェックを受けている間、先に中に入っていた観月は振り返ってその様子を見守っていた。ようやくチェックが終わると、2人並んで会場の中へと歩き出す。向かって左側を歩いている観月の方を見て錦織が再び苦笑いを浮かべ、何か語りかけている。選手である自分がセキュリティチェックで呼び戻されたことがよほど可笑しかったのだろう。試合直前にもかかわらず、些細な出来事に屈託なく笑い合う2人。それは、錦織がいかに彼女に気を許しているかが分かるシーンだった。
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(2)へつづく
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