赤ちゃんより画面に夢中の母親… “脳の麻薬”スマホがもたらす未来

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スマホは脳の麻薬

 結局、誰が得するんだろう。それはよく考えますね。こういった社会がつくり上げられて、人と人はおろか、親子の間ですらコミュニケーションが薄くなり、みな集中できずに、物を考えずにという方向にどんどんなっていって……でも、その個人を見ていると幸せそうなんです。だけれども、他者と上手にかかわれないし、物を考える力がない。

 中毒という文脈で言うならば、そういった依存状態になっているというのは薬物と一緒。スマートフォンとは脳の麻薬であり、覚醒剤と同じです。

 覚醒剤の使用は再犯の可能性がかなり高いですよね。依存のネットワークができると、自分の意思ではどうにもできません。そこまで人の脳は強くないというか、脳のシステムが依存状態まで行っちゃうと、自らシステムを回復できないというのが現実です。強制性を持たせない限り、多分離脱は無理です。

 ですから私たちは政治家の方々に言っているんです。中学生まではスマホを持たせちゃいけないという法律を作ってほしいと。かなりの勇気が必要かもしれませんが、脳の健康はそのくらいしないと守れないと思います。

 もちろん、スマホ中毒は覚醒剤ほど強力ではないものの、依存状態が続くと脳の発達に明らかに遅れが出てきます。怖いのはこれが長期間に亘ったときです。我々の周りにスマホがやって来て、これだけ一般的になり、子供も使うようになってまだ5年経っていない程度。これが10年、20年続き、彼らがどう変容するのか。観察が終わった時にはもう手遅れになっている可能性はあるんですね。

 どんなデバイスでもそうですが、使い始めて慣れていく過程において楽しくなる快感のネットワークが存在します。

 LINE等の場合、これだけに留まらず、「使わないと不安になる」という反応がある。これは、薬物中毒と同じ状況が起きているとしか思えません。これまでの客観的な証拠を見ていくと、その結論に至らざるを得ないのです。

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