赤ちゃんより画面に夢中の母親… “脳の麻薬”スマホがもたらす未来

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「脳トレ」教授が語る「スマホ」は脳の麻薬(3)

 ここまでに解説してきたのは、小中学生を追跡した調査によって明らかになった「スマホ」の悪影響である。この文明の利器がもたらす“社会”は、今後どのようになっていくのだろうか。川島隆太教授が説く。

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 親子のコミュニケーションという観点で、スマホと育児について考えてみましょう。

 授乳期に母親がスマホを見ることの弊害って何だと思いますか。それは赤ちゃんとのアイコンタクトを妨げ、愛情を確かめ合えないというもの。赤ちゃんが必死に目を合わせようとしている時にお母さんがスマホの画面を凝視していたりする。授乳というのは、栄養補給だけではなく、母子が目を合わせて互いの存在を確認する時間帯でもあるのです。

 ついこの間も東京に出張した時に2組も見てぎょっとしたことがあります。対面式のベビーカーを押している最中、赤ちゃんは起きていてじっと両親の顔を見ているんだけど、2人ともスマホに夢中なんですね。赤ちゃんが見てますよ、それにちゃんと前を見ないと危ないですよ、というわけで二重に良くない。  

 一番大事な存在は子供だとわかっているのに、無意識にスマホを見てしまっている。何となく見ていないと不安で、例えばLINE等のメッセージが入っていたら答えなきゃというような気持ちになっている。大切なものの順番すら判断できないような状況で、そのうえ何の罪悪感もないのが怖い。

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