長澤まさみは洗脳危機、水野真紀の結婚に困惑――「東宝シンデレラ」の舞台裏

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水野真紀の結婚に困惑

 当時、彼女は東大附属高校の2年生で、姉が応募書類を送ってきたのです。しかし、水野の場合、困ったのは、短大を卒業するまで芸能活動はしないという条件が付いていたことでした。卒業すると20歳、かなり遅めのデビューですが、それでも待つのが東宝芸能という会社です。

〈きれいなおねえさんは、好きですか。〉

 という松下電工のCMを覚えているでしょうか。彼女の場合、「おねえさん」役からがスタートだった。それもあって、大ヒットした映画やドラマがあるわけでもない。しかし、現場のスタッフには随分可愛がられた女優です。ドラマでもCMでも、撮影の現場がある。水野は、自分の役どころをすぐに理解して、演じてくれる。だから、指名してくる監督も多かった。結果的に会社はずいぶん稼がせてもらいました。

 後に彼女は後藤田正純代議士と結婚しますが、お目出度い半面、困ったのも事実です。当時は広告マンと付き合っていると聞いていたのですが、降って湧いたような結婚話でした。徳島で行われた結婚式には副社長以下3人の役員もお祝いに駆けつけましたが、結婚相手が代議士の場合、芸能プロは扱いに苦慮するのが実情です。

 まず、CMのスポンサーはほとんど降りる。政治的中立を旨とするNHKが使わなくなり、それに倣うように民放も起用しなくなる。政治家の妻になることで否応なしに党派性が出てしまうからです。いつ衆議院が解散になるか分からないから仕事も入れられない。芸能プロダクションの経営という面からいえば、痛し痒しです。

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