沢口靖子は音痴、斉藤由貴は補欠…伝説のマネが明かす「東宝シンデレラ」秘話
伝説のマネージャーが明かす「東宝シンデレラ」の舞台裏(上)
「お嬢様女優」「正統派美人」――東宝芸能の看板女優には、そんな形容詞がぴったりくる。いずれも「東宝シンデレラ」というオーディションを勝ち抜いた女性たちだ。長年、シンデレラを見守って来た元敏腕マネージャーが選考の舞台裏と彼女たちの素顔を明かす。
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とびっきりの美人なのに歌が下手、河内なまりがきつくてセリフは大丈夫なんだろうか。今もドラマにCMにと活躍する沢口靖子を最初に見たときはそう思ったものです。
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「東宝芸能」の女優といえば、正統派の日本美人というイメージで見られていますが、オーディションで見つけた「原石」を光らせるのはとても難しい。いかにして芸能界を代表する美人女優は生み出されるのか、沢口だけでなく、斉藤由貴、水野真紀それに長澤まさみを生み出してきた「東宝シンデレラ」オーディションの舞台裏をご紹介しましょう。
私が入社した1970年頃、東宝芸能という会社は司葉子や新珠三千代、星由里子といった俳優を抱える会社でした。
とはいえ、懸命に売り込みに走ったりすることはありません。撮影所から俳優に“ご指名”が来ると、スケジュール帳を見てチェックするぐらい。なぜなら、仕事相手は東宝がメイン、ほぼそれだけで仕事が回っていたのです。
しかし、時代は東宝グループの新しい顔を求めていました。そうした中、カネボウが協賛・タイアップの形で、オーディションをやらないかという話が来たのです。
三浦友和の出演する映画の相手役を公募するという名目ですが、グランプリを取ればCMで使うというものです。それが1976年の「ミス・サラダガール」というオーディションでした。有楽町の芸術座で行われ、1位が古手川祐子、2位が名取裕子。この企画は大成功で、その後2人が大活躍しているのはご存じのとおりです。
それまでオーディションによる新人発掘をやったことがなかった東宝芸能としては、「これはイケる!」となった。で、遅ればせながら始めたのが、東宝シンデレラオーディションでした。
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