“稲田”“ミサイル”で吹っ飛んだ「菅官房長官」沖縄詣で

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 真夏の“沖縄詣で”とはいかなかった。

 菅官房長官である。8月1日に宜野湾市で行われた、普天間飛行場の一部返還を記念する式典に出席する予定だったのだが、キャンセルになってしまったのだ。

 官邸担当記者の話。

「先月25日夕方の囲み取材で菅さんは、『最終的に調整がつかず、結局今回は取りやめになりました』と、残念そうに語っていました」

 そもそもこの式典への出席は、7月の初旬には1泊2日の予定で組まれていた。ところがその後、

「内閣改造が8月3日で決定的となり、宿泊は厳しくなった。それでも菅さんは、『だったら日帰りで行けないか』と、検討し続けていたのです。式典は夕方からなので、厳しい日程になるにもかかわらずです」(同)

 願い虚しく、事態は芳しくない方向へ進んでいく。

 政府関係者が後を受ける。

「24日、“北朝鮮が近くミサイルを発射する可能性が高まっている”という情報が流れ、危機管理上、状況を見極めなければならなくなった。これで雲行きが怪しくなりましたね」

 しかし、キャンセルを決定づけたのは、金正恩の行動ではなかった。

「25日の午後、フジテレビが、防衛省幹部の手書きメモの存在を報じ、稲田さん(前防衛相)がこれまで“知らない”と言い続けてきた南スーダンPKOの日報の存在を知っていた可能性が高まった。これで、内閣改造の修正や、閣内外への対応やらで忙殺されることが決定的となり、ついに諦めたというわけです」(同)

 ギリギリまで沖縄行きを捨てきれなかったのには、他ならぬ訳があった。

「来年1月の名護市長選ですよ。なんせ普天間基地の移転先ですから、自民党が勝たねばならないのに、候補者が決まっていない。“沖縄案件は自らの仕事”という思いが強い菅さんが現地入りし、話を進めたかったのですが」(先の官邸記者)

 身内からの“ミサイル”対策に取り組む羽目になったのだ。

週刊新潮 2017年8月10日号掲載

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