高血圧の最新常識 「降圧剤」との賢い付き合い方、「天然塩」ならOK?

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精製塩ではなく天然塩

 それぞれ細心の注意が必要なわけだが、まずは生活改善が何よりの薬であるのは言うまでもない。

 例えば従来、高血圧の“元凶”とされてきたのは塩分である。摂取すると血中のナトリウム濃度が上昇し、元に戻すべく体内から水分が血管に流れて血液量が増加。これによって血管に圧力がかかり、血圧が上昇する仕組みなのだが、昨今では“減塩は無意味”といった説が物議を醸している。

 15年に改定された厚労省の「日本人の食事摂取基準」によれば、男性の食塩摂取量の目標値は1日8グラム未満、女性は7グラム未満となっており、日本高血圧学会のガイドラインでは男女とも6グラム未満が推奨されている。前出の島田院長は、

「現在、日本人の1日平均摂取量は10〜11グラム程度と思われます。個人差はあっても、やはり高血圧治療の基本は減塩です」

 それでも摂取ゼロというわけにはいかず、悩ましいところではあるが、

「精製塩ではなく天然塩を摂ればいいのです」

 とは、薬剤師で『薬に頼らず血圧を下げる方法』(アチーブメント出版)の著者である加藤雅俊氏。

「日本では専売制のもと、長らく塩化ナトリウム99・9%の精製塩が売られてきました。これによって塩イコール高血圧の図式ができてしまいましたが、ナトリウムを体外に排出してくれるカリウム、そしてマグネシウムやカルシウムなど他のミネラルが豊富に含まれる天然塩を摂れば、塩分の影響も相殺されるのです」

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(2)へつづく

週刊新潮 2017年8月10日号掲載

特集「長寿のカギ『血管』を蝕むサイレントキラー 『高血圧』の最新常識」より

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