高血圧の最新常識 「降圧剤」との賢い付き合い方、「天然塩」ならOK?
「降圧剤」の効果のほどは
こうしたガイドラインの数値は、時代背景とともに変遷してきたのだが、岡田正彦・新潟大学名誉教授によれば、
「収縮期血圧が120以下の人と160以上の人を25年間追跡調査した結果、後者は前者より4倍死亡率が高く、中でも心筋梗塞や脳卒中が増えることが分かっています。世界中、どの時代に調べても結果は同じ。つまり、血圧が高いほど病気になりやすいということです」
とはいえ、
「問題は、降圧剤で数値を下げれば長生きできるのかという点。薬の効果を調べる調査もまた、これまで諸外国も含めて何度もなされてきましたが、飲まない人と飲んだ人との追跡を5年、10年と続けても、必ずしも後者の死亡率が減っているわけではないのです」(同)
最近では“降圧剤に頼るな”といった主張が巷を賑わせてもいる。
「加齢とともに血管が硬くなった人に、むやみに降圧剤を飲ませるのは決してよろしくない。そもそも、薬で下げ過ぎるとさまざまな不都合が生じます。風呂場で失神したり、トイレで排便した際、空っぽになった腹部に血液が集中して脳貧血を起こすこともある。70歳の方にしても、収縮期血圧が150よりも下がるような薬の飲み方はすべきではありません」(同)
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