公明「石井国交相」留任の背景に、創価が嫌う“カジノ法案”

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“安定した仕事ぶりが評価されて”とのことだそうだが――。

 3日の内閣改造を前にして、公明党所属の石井啓一国土交通大臣(59)の続投が確実となった。麻生副総理、菅官房長官の留任以外の話が出てこない中、事実上の一番乗りである。

 公明党担当記者が言う。

「山口さん(那津男党代表)が、閣僚に誰を推薦するかを決める先月27日の役員会で、石井さんについて“国会答弁も所管事項も、誠実に的確に対応し、安倍首相も高く評価している”と、とにかくベタ褒め。党内では、続投に一切異論は出なかったということです」

 もっとも、石井氏の在任期間は、既に1年9カ月を過ぎている。

「記者の間では、そろそろ山口さんや井上さん(党幹事長)などと交代するのではとの噂も流れていたのですが、なぜか今回は難しかったみたいですね」(同)

 その理由を、公明党幹部が明かす。

「次の臨時国会ですよ。政府はそこで、去年基本法案が成立したIR推進法、いわゆる“カジノ法”の実施法案を提出し、なんとか成立までもっていかなければならないのです」

 ところが、

「この法案については党内だけでなく、母体の創価学会の中でも反対意見がいまだに根強く、意見はまとまっていません」

 山口氏、井上氏ですら本心は“反対派”。

「それでも政府の意向に従わざるを得ない執行部としては、下手にここで大臣を交代させ、別の幹部が火の粉を被るより、石井さんに引き続き“汚れ仕事”をやらせようとしているのです。安倍さんも、支持率が下がっている中、政府内で揉めたくないでしょうし」(同)

 単に双方にとって“都合のいい”人事だったわけだ。

週刊新潮 2017年8月10日号掲載

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