堀江貴文が明かすベストセラーの秘訣「○○を書かないと売れないんだよ」
ヒットの鍵は"恥ずかしさ"?! 昔の忘れられない恋をテーマに小説デビューした燃え殻さんに、ヒット連発の堀江さんが「刑務所で読んだベストセラー5冊」を告白。その共通点とは?〈堀江貴文×小沢一敬×燃え殻ボクたちはみんな大人になれなかった座談会 第4回〉
恥ずかしくないと売れない
小沢 そうなのよ。だからますます恋愛1位は難しいのよ。でも燃え殻さんは、その唯一1位になってしまった彼女をモデルにしてこの小説を書いたんですよね。素敵だよね。
堀江 素敵だよ。そんな小説、恥ずかしくて書けないもん、俺。
小沢 分かる。
燃え殻 いま猛烈に恥ずかしくなりましたけど(笑)。でも実際、ただのサラリーマンが、セックスした話とか、自分のみっともない話とかをどんどん書けって言われても、恥ずかしすぎて。仕事終わって家に帰って2時間くらい仮眠して、夜中の3時過ぎからとか書くんですよ。正気じゃ書けませんよ。
小沢 でもさ、あの小説を読んでたらさ、なんか懐かしい感覚がしたんだよね。10代の時によしもとよしとものマンガとか読んだ時の、あの感覚っていうか。
燃え殻 それは嬉しいです。
堀江 でも恥ずかしいもの書かないと、やっぱり売れないんだよ。バンドとかだってそうじゃん。前にGLAYのTAKUROさんに「よくあんな恥ずかしい歌詞書けますね」って言ったもん。
小沢 よくそんなこと聞けますよね。
堀江 でもさ、それでTAKUROさんが言ったのは「大丈夫だよ、歌うのはTERUだから」って(笑)。
小沢 映画の脚本家が恥ずかしいこと書いても「でも演じるのはあいつだから」みたいなことだよね。いい話だなー。
堀江 これは僕が『ゼロ』を書いた時にも感じたんだよね。きっかけは水野敬也だったんですけど。僕はあいつが全然売れてない時に知り合って、その後『夢をかなえるゾウ』でミリオンヒットを飛ばしたんだよね。それで僕聞いたわけ、「どうしたらミリオン出せるの?」って。そうしたら刑務所の中に5冊本が送られてきて、「まずはベストセラーを読んでください」って手紙が入ってたんだよね。
燃え殻 へー面白いですね。何の本が入ってたんですか?
堀江 『窓ぎわのトットちゃん』と『成りあがり』と『PLATONIC SEX』、それから『五体不満足』、あともう1冊ちょっと忘れちゃったんだけど。
小沢 5冊目俺の小説にしといて。読んだらきっと影響受けると思う。
堀江 はいはい(笑)。それで水野くんに言われたのが、とにかく恥ずかしいことを書かないとダメだと。堀江さん、刑務所にいる間に昔の恥ずかしいエピソードを洗いざらい、全部書いてくださいって言われたんですよ。
燃え殻 でも僕『ゼロ』を読んで、堀江さんの印象が変わりました。今もすごい売れてますよね。
堀江 いや、100万部行ってないんでまだ全然だめですね。
小沢 いま何万部?
堀江 43~44万部くらいかな。
燃え殻 すごっ!
小沢 十分じゃん。
堀江 でも僕『拝金』『成金』っていう小説のシリーズも出していて。
小沢 知ってる。
堀江 最近『錬金』っていうのも出したんですけど。
小沢 知ってる。何で知ってるか訊いて。
堀江 なんで知ってるの?
小沢 異常にリツイートするから。
燃え殻 (笑)。
堀江 リツイート効果あるってことじゃん(笑)。でもその小説も、もっともっと恥ずかしさに躊躇しないでさ、リアリティに近づけなきゃダメなんだろうね。