東芝、8月上旬には上場廃止? 首を縦に振らない監査法人とのバトル

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“監査無用論”

 さて、こうした事態を、企業会計の専門家はどう見ているのだろうか。青山学院大学大学院の八田進二教授が言う。

「PwCあらたの『意見不表明』は、日本の会計制度では極めて異例です。監査補助を務めるアメリカのPwCに主導権を握られているのではないか。彼らは日本の東芝が上場廃止になっても関心はなく、自分たちの責任回避に重きを置いているように思われます。そもそも、こんな事態になってしまったのは東芝に責任がありますが、このまま意見不表明を続けると“監査無用論”が出てくる可能性もある」

 上場廃止になれば株価は暴落必至。株主も打撃を受けるため、固唾を飲んで見守っているに違いない。最近では、PwCあらたが、「意見不表明」でなく、決算そのものを認めない「不適正意見」を出すという報道も流れている。

 そこで、当のPwCあらた代表執行役の木村浩一郎氏に聞くと、

「守秘義務があるので個別の話は出来ませんが、事態の重大さは認識しているつもりです。アメリカのPwC本社に指示されてやっているわけではありません」

 酷暑が続く空のもと、東芝の「運命の日」は日一日と近づいている。

週刊新潮 2017年8月3日号掲載

特集「調査費用20億円が水の泡! 8月上旬には上場廃止!? 『東芝』vs.『監査法人』泥沼闘争を実況中継」より

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