手腕に錆「菅官房長官」の危機管理と本音

国内 政治

  • ブックマーク

 次期改造で留任とされているとはいえ、その手腕に錆が目立ち始めた。記者会見でのポーカーフェイスとは裏腹に、菅義偉官房長官(68)の心中は複雑なようだ。

「7月25日から大阪で開かれた自民党二階派の研修会で、菅さんが講演を行うという話があったのです」

 と、政治部デスクが言う。

「二階幹事長から直接頼まれたそうで、一時は研修会の日程表にも組み込まれました。二階さんからすれば、官房長官を大阪に呼ぶことで、力を見せつけることになりますからね」

 ところが、閉会中審査の対応のため、大阪行きはキャンセルとなった。

「東京を留守にしては、批判されかねないという判断からでしょう」(同)

 安倍総理が加計学園問題で集中砲火を浴びる中、殊勝な心がけと言いたいところだが、一方、7月中旬に行われたさる懇談ではこう話していたという。

「(加計問題について)あれは未だに怪文書だと思っている。一連のことが、霞が関の抵抗というなら、当事者の官僚がコソコソしないで説明すればいい」

「萩生田(官房副長官)は優秀なのに、気の毒だ。彼が圧力をかけるわけない」

 先のデスクによれば、

「そうした本音が今の官邸の対応に滲み出ている。支持率低下の一因です」

 内閣支持率が30%を切る状態では、得意の危機管理も霞んでいく。先の懇談では、

「8月3日の内閣改造で潮目が変わるはずだ。報道だって加計から改造に移るからね」

 その強気な言葉も、ある官邸関係者に言わせれば、

「さすがに最近の報道で参っているようで、記者の前では“大丈夫だ”と繰り返すしかないのが実情です。安倍総理の姿勢が批判される中、周囲には“じっと耐えるしかない”と漏らし、実は改造にもそれほど期待していない。今井尚哉首相秘書官が、改造後の目玉になる政策を出せと各省庁にはっぱをかけているのとは対照的です」

 軍師、策が尽きた?

週刊新潮 2017年8月3日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。