初期サザンオールスターズの「最高の1曲」って? マニアの最高点は「あの曲」

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国民的バンド

「夏の音楽と言えば?」

 この質問への答えで、世代や嗜好がかなりわかるのではないだろうか。

 加山雄三、ビーチ・ボーイズ、というのはかなりご年配の方が多いだろう。山下達郎、TUBEの人気も根強い。

 しかし、何と言っても忘れてはならないのは、国民的バンド、サザンオールスターズだろう。

 今年はバンドとしての活動はあまり予定されておらず、桑田佳祐のソロ活動が中心とも見られている。それでも、今月17日からはメンバー全員出演による三ツ矢サイダーのCMが流れ始めた。38年前にサザンが初めてCM出演したのがこの三ツ矢サイダーだったのだという。

 また、今月にはサザンオールスターズについて徹底的に分析、解説をした『サザンオールスターズ 1978-1985』(スージー鈴木・著)という新書も発売された。同書は、音楽評論家にして初期サザンの大ファンである著者が、「初期サザンの凄さ、革命性が世間に浸透していない」という熱い想いから執筆した1冊。タイトル通り、『勝手にシンドバッド』でのデビュー(1978年)から、2枚組アルバム『KAMAKURA』(1985年)まで、初期のサザンの楽曲全てを徹底分析した内容となっている。

マニアの選ぶ1曲とは

 同書で、スージーさんはシングル曲のみならずアルバムのみの収録曲も★評価(5段階)をつけるという大胆な試みを敢行。

『勝手にシンドバッド』『いとしのエリー』等の大ヒット曲が5つ星なのは誰もが納得するところだろうが、『別れ話は最後に』『吉田拓郎の唄』といった曲もまた5つ星獲得、というあたりは議論の分かれるところかもしれない。

 そんなスージーさんが、「初期サザンの最高傑作楽曲にして、到達点」としているのは、『メロディ(Melody)』。これもまた異論を唱える人もいるだろうが、スージーさんは何とこの曲1曲の凄さを語るために、10頁も費やすという始末。メロディ、歌詞はもちろんコード進行、アレンジまで「どれだけ凄いか」を大変な熱量で語っているので、読んでいくうちに説得させられるかもしれない。

 もちろん、これはあくまでもスージーさんの個人的評価。

 CMで目にする機会も増えたことだし、どの曲が「私の選ぶサザンの1曲」か、周りの人たちと議論するのもまた楽しいのではないだろうか。サイダーかビールでも飲みながら。

デイリー新潮編集部

2017年7月28日掲載

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