石破茂、総裁選への険しい道のり 合区の難題

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 下降線を辿る安倍内閣の支持率とは裏腹に、俄然活気づく重鎮議員がいる。

 石破茂氏(60)だ。メディアを通じて政権批判を繰り返し、その勢いは日を追うごとに強まっている。

 官邸担当記者の話。

「安倍さんの後継者としてはこれまで、岸田さん(外相)が禅譲という形で引き継ぐ線が有力視されていました。ただ森友、加計問題、そして都議選での大敗で、党内でも“反安倍”の機運が高まりつつある。ここにきて、一貫して安倍さんと対立してきた石破さんに、総理の目が出てきました」

 まずは、来年9月に迫る総裁選に向けてどう動くか。だが、その道のりはまだまだ険しそうだ。

 自民党幹部議員の話。

「石破派は現在、彼を除いて18人。一方、総裁選に出馬するための推薦人の必要数は20人。2名足りない」

 ただ、この点については、無派閥議員からの応援でクリア可能だ。

「問題は、地方票ですよ」

 とは、石破氏の地元、鳥取県の自民党県議。

「前回の総裁選に出馬した際は、地方票で安倍さんを上回った。ただ、当時安倍さんはほぼ謹慎状態で、地方回りができなかっただけ。今や優位性はありません」

 さらに難題が待ち受ける。

「鳥取県は、参院選挙区が島根県と合区され、議員定数が半減しました。もし合区が解消されなければ、再来年の改選時、鳥取選出の石破派議員か、島根選出の方のどちらかが、選挙区から出馬できなくなる」(同)

 しかも、人口の多い島根県選出の議員が残される可能性が高いとされる。

「石破さんは解消を訴えていますが、タイムリミットは来年7月。実現できなければ“地元議員すら守れなかった候補”として、地方票の獲得は厳しくなる」(同)

 前地方創生相の足元は、意外にも覚束ないのだ。

2017年7月27日号掲載

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