民進「蓮舫」代表、今さら戸籍内容公開を許さないプライバシーの壁
前言を翻し、場を繕って、謝罪する。その「転身」ぶりは、およそ総理を狙う最大野党の代表に相応しくない。7月18日に開いた「二重国籍」の釈明会見に至るまで、民進党・蓮舫代表の説明は二転三転を繰り返していた。時には「プライバシーの壁」を盾にして――。
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東京・永田町の党本部5階の会見場に立った蓮舫代表は、「戸籍の一部を開示するが前例とすべきでない」と言いつつも、自らの戸籍謄本を含む関係書類を公表して疑惑払拭に努めた。
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発端は、昨年8月に元通産官僚で徳島文理大教授の八幡(やわた)和郎氏が、夕刊紙や論壇サイトで国籍疑惑を追及したことである。
それを受けた蓮舫氏は、台湾との「二重国籍」を完全否定するも、説明は辻褄が合わず疑惑は深まるばかり。結局は台湾政府への手続きを怠ったことを認め、10月に改めて日本国籍を選択したと主張していた。
ところが、そこで新たな疑念が生じてしまったと政治部デスクが言う。
「台湾籍を抜き日本国籍を選択した時点で、その日付が戸籍謄本に記載されます。けれど、彼女はその記載事項の公開を拒み続けた。釈明会見でも記憶違いがあったと謝罪しましたが、これまでの説明が二転三転したこともあり、物的証拠を示さないのは不自然だと党内外から批判が出たのです」
今回の会見では、その日付を改めて戸籍で示したワケだが、背景には都議選敗北で執行部の責任を問う声が上がる中、党内から「国籍問題」をハッキリさせよと指摘されたことがある。
「11日の党ブロック会議で、蓮舫代表は『いつでも戸籍開示の用意がある』と議員らに啖呵を切ったのです。しかし、2日後の定例会見では、『戸籍は個人のプライバシーに属するもので、差別主義者、排外主義者に言われて公開するようなことは絶対にあってはならない』と態度を一転、釈明会見に臨みました」(同)
実は、蓮舫氏の“前言撤回”に先立ち、13日付の朝日新聞には、〈民進党 勘違いしていませんか〉と題する社説が掲載されていた。
記事では、戸籍公開を迫る党内議員を批判した上で、
〈(蓮舫氏)本人の政治判断とはいえ、プライバシーである戸籍を迫られて公開すれば、例えば外国籍の親を持つ人々らにとって、あしき前例にならないか。/民進党と蓮舫氏はいま一度、慎重に考えるべきだ〉
などと、蓮舫発言と瓜二つの主張を展開したのだ。
むろん、親が外国籍や海外出身者なのを理由に差別することがあってはならない。それを目的に戸籍開示を求めることも許されないが、蓮舫氏のケースはこれらと同じと言えるのか。
「二重国籍」問題を提起した八幡教授に言わせれば、
「今回の件は、朝日新聞が主張する“プライバシーの侵害”とは別問題。社説が言う〈あしき前例〉とは全く違い、不必要なのに戸籍を見せろということではありません。蓮舫さんが本当に日本国籍を選択したことを証明するには戸籍しかなく、公人が何かを立証する必要がある時、証拠を出せないとなればおかしな話です」
十把一絡げに“プライバシー”を連呼する朝日こそ〈勘違い〉も甚だしいが、それに気圧され発言を翻し、挙句に戸籍公開と迷走した蓮舫氏。なんだか言葉の“軽さ”が際立つばかりである。