今季まだ5勝でも「藤田菜七子」コツコツ進化中

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 ここまで、5勝──。

 昨年3月に鳴り物入りでデビューしたJRA(日本中央競馬会)所属の藤田菜七子騎手(19)である。同期の木幡(こわた)巧也騎手がすでに11勝を挙げる中、伸び悩んでいる。

 菜七子“推し”の男性競馬ファンが嘆く。

「デビュー以来、彼女が騎乗するというだけで、馬の実力に関係なく馬券は必ず買うようにしているんですが、ここまで勝ちが遠いと、心が離れそうです」

 久々の女性騎手の登場を、競馬人気復活の起爆剤と目していたJRAも、この“低空飛行”には危機感を募らせているようで、

「6月に彼女をスウェーデンに派遣し、現地のレースに騎乗させたんですが、結果は3着でした」(同)

 大健闘の結果ではあるものの、さして大きな話題にはならなかった。

 競馬専門紙デスクがこの現状を解説する。

「勝ちが見えない一番の原因は、彼女が所属している厩舎に強い馬がいないことです。今は、調教師が他の厩舎を通じ、馬主に頼んで騎乗させてもらっていますが、勝ちが見込める馬には、実力のある騎手を乗せたいのが馬主のホンネ。今の状態では厳しいです」

 とはいえ、菜七子の騎手魂は捨てたものではない。

「これまでの女性騎手は、馬群を避け、レース直後に前に出るタイプばかり。でも彼女の場合、落馬の危険を顧みず、馬群の中で足を溜め、最後の直線で飛び出す競馬をする。勝利への貪欲さは並みじゃない」(同)

 さらに、

「その姿勢に呼応するかのように、ドクターコパこと小林祥晃氏など、実力馬を多数持つ馬主との関係も生まれつつある。実力馬に乗れる数少ない機会を逃さず、期待に応えられれば、さらにいい馬への騎乗が増える。その好循環に入れるかどうかがカギ」(同)

“藤田菜七子フィーバー”第2弾は、自力で掴み獲る他ない。

週刊新潮 2017年7月20日文月増大号掲載

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