「黒柳徹子」長寿のカギは骨格筋! がん抑制“夢の万能ホルモン”分泌方法

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「不活動」を減らす

 志波主任教授が続ける。

「スクワットが嫌なら、ビルやマンションの階段を降りるだけで構わないんです。人の動作は2種類の筋収縮の組み合わせで出来ており、たとえば階段の昇りは求心性収縮、降(くだ)りは遠心性収縮と言います。きつい運動が続けられないのであれば、昇りはエレベーター、降りは階段を使うことでも充分な運動になります」

 同じようにグータラ人間でもマイオカインを出す運動があると教えてくれるのは、前出の田島教授だ。

「これは、中臀筋や大臀筋を鍛える運動です。まず、うつ伏せになってお腹の下に枕やクッションを敷く。身体を反らせすぎて腰を痛めないようにするためです。そして、足を高く上げすぎないように片方ずつ30回上げる。大臀筋を鍛える運動ですが、触ってみてお尻の筋肉が収縮していたらOKです。次に中臀筋。これは横向きになって足の間に枕かクッションを入れる。足をドサッと落として痛めないためです。そして片足ずつ水平に持ち上げる運動を30回やる」

 大臀筋と中臀筋を合わせて「でんでん体操」と田島教授は呼んでいるが、横になってワイドショーを見ながらでも出来るというわけだ。

 これも続けるのが面倒だと言うのなら、首都大学東京・大学院の藤井宣晴教授がアドバイスをする。

「大事なのは、運動をしない人が、毎日動くように工夫することです。そこで提唱したいのが“一日のうちで不活動でいる時間をなるべく少なくする”という考え方。不活動とは横になっている時間、座っている時間のこと。日々の生活を振り返ってみると、意外に不活動の時間が多いことに気が付くはずです。逆に日常的な挙措を少しでも超えた動作は運動したことにしていい。掃除も運動としてカウントして構わない。また、話す相手がいるのなら、2人で並んで歩き、ペチャクチャお喋りするのもいい。歩くスピードを上げれば、息つぎしないと会話が続かなくなる。脈拍があがってドキドキしてきたら、それだって運動です」

 最近は、一定時間動いていないと「ピピッ!」とアラームを鳴らしてくれるグッズも売っている。

 太古から動物の身体は動くことを前提に作られている、と藤井教授は言う。筋肉が作る万能ホルモン「マイオカイン」もしかりである。

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週刊新潮 2017年7月13日号掲載

特集「『黒柳徹子』長寿のカギは骨格筋!『川島なお美』激ヤセを招いた『悪液質』とは?『肺がん』『食道がん』『肝がん』『乳がん』 『マイオカイン』の効能か!? がん13種を抑制する『筋肉』は高齢者も増やせる」より

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