「黒柳徹子」長寿のカギは骨格筋! がん抑制“夢の万能ホルモン”分泌方法

ドクター新潮 健康 運動

  • ブックマーク

 いま、科学者や医学者が、熱い視線を送る「マイオカイン」。骨格筋から分泌されるホルモン物質の多くは、まだ謎が多いが、筋肉を動かすことで13種類ものがんを防いでくれることが分かってきた。

 大腸がんを抑制する「SPARC」のほか、肥満や糖尿病を抑える「IL―6」、肝硬変につながる脂肪肝を改善する「FGF―21」など「がん」以外への効能もいわれるマイオカインだが、その分泌の促進のためには運動が必要だ。ならば、スポーツジムに行くのもいい。公園をジョギングするのも効果があるだろう。だが、年を取ってくると、外に出るのもおっくうになるものだ。

黒柳徹子を見習うべし

イラスト・シオダワナミ

 そこで、是非とも見習いたいのが、黒柳徹子のスクワットだ。彼女は、83歳にして毎日50回のヒンズースクワットを欠かさない。ご本人がマイオカインのことを知っていて実践しているのかどうかはさておき、この運動の良いところは、家で出来ること。そして、骨格筋に負荷をかける「レジスタンストレーニング(抵抗運動)」である点だ。マイオカインを出すためにはピッタリである。

 和歌山県立医大リハビリテーション医学講座の田島文博教授もスクワットを推薦する。

「運動は強度と時間が大切です。マイオカインを増やすためには、とにかく地道に量をこなすこと。軽いスクワットは、(お尻のまわりにある)大臀筋と中臀筋を鍛えます。出来るなら黒柳さんにはヒンズースクワットではなくこちらを試してほしいです」

 また、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同研究で効率的に筋肉を鍛えられる「ひざトレーナー」を開発した久留米大学整形外科学講座の志波直人主任教授は、自らも毎日のスクワットを実践している。

「私は朝起きてすぐに歯を磨きながら軽くスクワットをしています。20回ぐらいだからすぐに出来る。朝食前にはストレッチを行い、いつも徒歩通勤と階段を昇って職場に向かっているんですよ」

 これで病気知らずの身体になれるのなら安あがり、と言いたいところだが、それでも、黒柳徹子の真似はとても無理だという人もいるかも知れない。次に紹介するのは運動嫌いのためのトレーニングである。

次ページ:「不活動」を減らす

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。