「筋肉」が病魔と戦う? 運動で分泌される「マイオカイン」驚きの効能

ドクター新潮 健康 運動

  • ブックマーク

 一昨年9月、胆管がんで亡くなった女優の川島なお美(享年54)が、死の直前になって、イベントに姿を見せたことをご記憶だろうか。心配していたファンは彼女の笑顔を見て胸を撫で下ろしたものだが、気になったのは異常に痩せ衰えた姿だった。また、同じ年の5月、大腸がんで亡くなった俳優の今井雅之(享年54)も、亡くなる1カ月前に開いた記者会見での痩せた姿に記者たちは言葉を失った。

 東京の江戸川病院で腫瘍血液内科部長を務める大澤浩医師が言う。

「がん患者の多くは病気が進行してくると骨格が浮き上がって見えるほど痩せ細ってしまうのです。これは悪液質(カヘキシア)と呼ばれる病態で、亡くなる前の川島さんや今井さんのお姿は典型的なカヘキシアと言えます」

次ページ:筋肉からのホルモン

前へ 1 2 3 4 次へ

[1/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。