チーズを食べる「ひふみん」は正解! 筋肉減少に抗う食事メニュー

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 加齢による筋肉量減少に“抗う”にはどうすれば良いのか。日々、ただ漫然と好きな物を食べ、飲みたい物を飲んでいるだけでは“滝つぼ”へまっしぐら、待ち受けるのは「寝たきり」という悲惨な末路――。しかし、もう年だから、と諦めてはならない。いつもの食事を少し見直すだけで筋肉は増えるのである。

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 筋肉量を増加させるために必要なのはタンパク質を摂取することである。故に、アスリートのようにトレーニング中にプロテインを摂取するのが一番手っ取り早いわけだが、高齢者が慣れないプロテインを飲むのを習慣にするのはなかなか難しかろう。一方、タンパク質を多くとれるよう、日々の食事の内容を見直すことなら明日からでも出来る。

「タンパク質を多く摂取するためには、牛乳やチーズ、お肉、豆腐や大豆をとることが大事です」

 そう説明するのは、サンディエゴ脊椎財団の飛田(ひだ)哲朗医師である。

「お肉の中では、豚肉が良いでしょう。豚肉にはビタミンB群も含まれていて、これが筋肉の生成に有利に働く可能性が指摘されているのです。また、魚に多く含まれるビタミンDも効果的です。外から摂取しなくても、体内でのビタミンDの生成が日光浴で活性化することも分かっています」

■牛乳と蜂蜜

 野菜の中にもタンパク質を多く含んでいる物がある。代表格はブロッコリーだ。

「老化を防ぐ食材として、ブロッコリーは食卓には欠かせません」

 とは、「お茶の水健康長寿クリニック」の白澤卓二院長。

「ブロッコリーをより効果的に食べるには、小房に分けて、ビタミンCが熱で壊れないように短時間でゆでます。茎にビタミンCや食物繊維が多いので、茎も皮をむいて同じようにゆでて食べるといいでしょう」

 信州大学学術研究院医学系教授の能勢博氏も、先の飛田医師と同じく牛乳やチーズなどの摂取が効果的だと考えており、

「これらの乳製品に含まれるのが乳タンパク質で、カゼインとホエイタンパク質の2種類があります。これらのタンパク質はプロテインやサプリメントにも使用されています」(能勢教授)

 その乳タンパク質の体内への吸収を促進させる方法があるという。

「運動後、乳タンパク質と一緒に糖をとると筋肉への吸収が促進されるので、私は牛乳と蜂蜜を一緒にとることをおすすめします。実際、運動後に乳タンパク質をとることで、とらない場合に比べて、筋肉量が6%〜10%多くなることが分かっています。運動が終わってから1時間以内に摂取するのがベストで、“筋肉のゴールデンタイム”と呼ばれています」(同)

 将棋の「ひふみん」こと加藤一二三氏(77)が対局中にパクつくものと言えば、チーズ。筋肉のことを考えれば「正解」だが、対局中ではなく、運動後に食べるほうがより効果的なのだ。

特集「『医学者』『科学者』が瞠目!『大腸がん』『糖尿病』『動脈硬化』『アルツハイマー』『うつ病』を防ぐ!! 夢の万能ホルモン『マイオカイン』」より

週刊新潮 2017年7月6日号掲載

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