夏の旅行に意外な穴場? 首都で開催「カザフスタン万博」

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 2025年に大阪で万博を……という誘致活動にエンジンが掛かってきたが、実は今、「2017年 アスタナ国際博覧会」という万博が開催されていることをご存知でしょうか。

 6月10日から9月10日まで、中央アジアに位置するカザフスタンの首都アスタナ市が舞台である。テーマは“未来のエネルギー”で、日本館も政府肝煎りで出展し、“二酸化炭素削減”や“水素エネルギーの未来”などを主要テーマに展示を行っている。

 関係者が言う。

「カザフスタンは、中世からシルクロードで交易の要衝として栄えてきた歴史のある大国です。この地域では最も文化的に洗練されています。外務省から『危険度1(十分に注意)』の案内が出ていますが、政治体制が異なる、“先進国ではない”点を勘案したもの。政治は安定しているし治安も特に問題ありません。日本館の目標来場者数は、50万~100万人です」

 テロには無縁で穏やかな国民性が日本人に一脈通じる共通点を感じさせるという。「万博ツアー」を企画する旅行会社の営業は、

「今回のエキスポ(万博)のテーマが未来エネルギーということもあり、来場者には、日本館の他、北欧諸国のパビリオンやドイツ館が人気のようです。万博ツアーは5日で約15万円から。いちばん刺激的に盛り上がる“ジャパンデー”が、7月22日に開催されますが、その前後は市内の高級ホテルは満室状態です。カザフスタン独立以来の大盛況でしょう」

 そのジャパンデーには、テクノロジーの粋(すい)だけでなく、雅楽の東儀秀樹さんや津軽三味線の上妻宏光さんらが、日本の伝統と現代の文化を特別ステージとパフォーマンスで表現する。

 万博の外に目を転じれば、観光スポットも多い。

「旧首都のアルマトイ近郊では、世界遺産にも登録された『タムガリ』や『チャリンキャニオン』などに人気があります。今後は観光客が一気に増える可能性もあります」(同)

 この夏、海外に出かけようという向きの選択肢に、未知の国カザフスタンは意外な穴場かもしれない。

週刊新潮 2017年7月6日号掲載

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