敗れた棋士たちが語る「藤井聡太」 リベンジ宣言に苦笑い、意外な弱点も?
■告げられた“リベンジ”
実際、当の藤井四段に向かって、それを告げた棋士もいる。21局目、25局目の対戦相手・都成竜馬四段(27)だ。
「6月7日の1局目の対局は、本当に私の完敗。実力差を感じました。この時は、もう連勝が社会現象になっていて(対局場の)関西将棋会館の外に藤井さんの“出待ち”がたくさんいたんです。このまま外に出たら大変なことになると思って、彼を誘って出前を取り、会館の中でランチをしました。年上の私が話しかけ、藤井さんが相槌を打つという感じでしたが、“次はリベンジしますよ”と言った時には、困った顔、そう、苦笑いをしていましたね」
先のギャグ((上)参照)にしろ、突如、先輩にさまざまな“ジャブ”を浴びせられる藤井四段。なかなか気を抜かせてもらえない。
他方、悔しさはあった、でもそれを押し殺した――と言うのは、6戦目と18戦目で対戦した、竹内雄悟四段(29)である。
「初めての対局の時は、非公式戦で羽生先生を破ったと聞いて気合を入れました。でも隙はいっぱいあるだろう、何とかなるだろうと思っていたのも事実です」
しかし中盤のミスが尾を引いてうまく押し切られた。
「普段は私、負けると悔しいという感情が表に出てしまうんです。対局後はあまりしゃべりたくない方なのですが、藤井クンとの時だけは、悔しがる姿を見せるのは、大人として恥ずかしいと思って……。あくまで淡々と感情を見せないように頑張りました」
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