「吉田沙保里」後継に期待 女子レスリング53キロ新星

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 レスリング界の勢力図に変化が起きている。17日、全日本選抜選手権、女子53キロ級で優勝したのは、アノ人ではなかった。

 スポーツ紙記者の話。

「20歳の向田真優(むかいだまゆ)が連覇を果たしました。これで8月にパリで行われる世界選手権代表入りは確実。吉田沙保里選手と同じ階級ということで、後継者として期待されている選手です」

 欠場した吉田選手(34)は至学館大学にコーチ兼選手として所属し、向田選手も同大学の2年生。中学高校と彼女を指導した日本レスリング協会の菅芳松(すがよしまつ)事務局長は言う。

「三重出身の彼女は小学校から抜群に強く、全国大会4連覇。そこで、トップアスリートを育てる東京のJOCエリートアカデミーにスカウトしたんです」

 中学校1年生にして、単身上京してきた。

「北区にあるナショナルトレーニングセンターの寮に住み込み、練習に明け暮れました。中学の時は高校生と、高校に入ると、大学生を相手にしていたくらい、同世代では相手にならなかったのです」(同)

 朝は6時起床。朝練後に登校し、午後は自主練も合わせて4時間半、レスリングに打ち込んだ。

「2014年にユースオリンピックでも優勝しましてね、進路については“吉田さんのいるところに行きたい”と至学館大学に進学することになったのです。本人は攻撃的な選手で、タックルが非常に上手い。吉田選手と似たタイプですね。口癖のように“東京五輪で金メダル”と話していますよ」(同)

 一方で、リオ五輪で銀メダルに泣いた“女王”は来年末までに東京五輪を目指すか、結論を出すという。

「吉田選手が現役続行なら、出場権を懸けて対戦する日がいずれ来るでしょう」(先の記者)

 霊長類最強女子の異名もタックルで奪えるか――。

週刊新潮 2017年6月29日号掲載

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