〈新婦は知ったかぶり〉東武鉄道子会社の“挙式リスト”流出

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■メールの誤送信?

 また、別のカップルは、

〈3カ月前にお見合いで知り合った。結婚が目的なので、結婚式に夢を見るというわけではなく、条件がマッチする会場を探している状態。外式希望だが、寒いのが嫌とのこと〉

 流出資料には氏名はもちろん、職業や年齢まで記載されているものもあり、挙式日をネットで検索すれば“個人”を特定できてしまうのである。

 流出件数は、最低でも44組以上。レバントの婚礼件数は一昨年が149組、昨年が131組だったことを考えれば、今回の流出件数は少ないとはいえないのではないか。レバントに勤務するホテルマンによれば、

「これはうちの書式ではありません。ですが、書かれている内容は、うちに来館したお客さまの情報で間違いないでしょう。ブライダルや宴会は、宿泊やレストラン部門より収益率が高い。そこでうちの経営陣が2年ほど前、ブライダル部門強化のために外部のプロを雇い入れたのです。恐らく、その委託業者が作成した資料をメールで送った際に誤送信か何かで、外部に流出してしまったのではないでしょうか」

 仮に、情報流出が委託業者の過失だとしても、“東武”の看板を信用してレバントで華燭の典を挙げようとしたカップルは、少なくないだろう。経済誌のホテル業界担当記者も呆れて、

「13年前、東武鉄道ではメール・マガジンの個人会員13万人の情報が流出した事件がありました。それ以降、東武鉄道は6項目に亘る“個人情報保護ポリシー”という基本方針を掲げていましたが、絵に描いた餅に過ぎなかったのかもしれません。東武鉄道は上場企業ですから、情報流出を公表しなかった理由も説明する義務があります」

 東武鉄道の釈明は、

「お問い合わせいただき、顧客情報流出の可能性を把握しました。関係者から聞き取り調査を行っており、適切に対処してまいります」(広報部)

 この危機管理意識の低さには、呆れるほかない。

週刊新潮 2017年6月29日号掲載

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