都議選で出る所に出られない「安倍官邸」の面々

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 顔に出来たシミをメイクで隠そうとすると、かえって目立ってしまうという。同様に、加計学園問題から噴出した一連の“黒ズミ”がより鮮明になりつつあるのだから、皮肉である。

 6月26日、安倍総理が文京区内の小学校で都議候補の応援演説に立った。都議選に入るのは初めてだったが、案の定、加計問題には触れず。ため息をつくのは、都連所属の自民党議員。

「告示前から再三、応援に入ってもらえるように官邸に要請していました。ようやく、ですね」

 政治部デスクによれば、

「都連会長の下村博文さんは以前、“土日に入ってもらい、重点区を回るのが理想だ”と話していたんですけどね。ところが、17、18日の自民党の調査は都民Fが自民を2議席リード。翌週には4議席に差は広がりました。ヤジを浴びないよう、官邸は、加計を想起させる人をなるべく投入したくなかったのです」

 さらに本誌(「週刊新潮」)報道で、豊田真由子議員の常軌を逸した「絶叫暴力」が白日の下に曝されたこともあり、

「22日に党本部で開かれた都連の結団式にも総理は来ず、下村さんは不満をにじませていた。苦肉の策として、ヤジの少ない“ハコモノ”での総理応援が検討されたのです」(同)

 それが26日の演説だった。官邸の他の面々も、

「菅官房長官は25日に町田に入ったものの、演説は減らす意向。萩生田官房副長官に至っては、地元である八王子の第一声に参加しませんでした」(同)

 当の萩生田氏は記者に苦しい釈明をしている。

「告示日に萩生田さんが演説をすると聞き、番記者は八王子に向かっていたのですが、急遽中止に。理由は、“(緊急時の)在京当番だ”という連絡だったのに、その日は菅さんがいたので、官邸にいる必要はなかった。すると、“会議があった”と言い訳を変えた上、“ドタキャンと書くな”というお達しまで出したのです」(同)

 厚化粧でも隠せない、官邸のドタバタ劇である。

週刊新潮 2017年7月6日号掲載

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