91歳エリザベス女王 スピーチ延期の真相と戴冠問題

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退冠間近で戴冠はせず
(Joel Rouse/ Ministry of Defence/ Wikimedia Commons)

 91歳の誕生日を4月に迎えられた英国の元首、エリザベス・アレクサンドラ・メアリー。英国君主としては、史上最高年齢であり、在位期間(1952年〜)も2015年には歴代最長だったビクトリア女王(在位1837〜1901年)を抜き、65年を超えた。

 お誕生日の4月21日でなく比較的天気の良い6月に行われることが慣例化した公式誕生会は、今年は17日に始まったが、女王は白いドレスに白の帽子で、バッキンガム宮のバルコニーに姿を見せた。この日、女王は異例の声明で、“今年は国全体が陰鬱で重苦しい雰囲気です。悲劇が続く今こそ皆で団結しましょう”と、打ち続くテロと超高層マンション大火災で悲嘆にくれる国民に向けて呼びかけている。

 その公式誕生会から2日後の19日、開会予定だった議会が突然延期され、冒頭に行われる女王のスピーチも先延ばしになった。

 ロンドン在住の王室ウォッチャーが言う。

「女王の体調に異変があったのかと勘繰る向きもあったほど。議会の冒頭、女王のスピーチが行われるのが慣例ですから。お元気そうとはいえ、負担軽減のため公務を縮小されていることからも無理が利かないのは明らかです。幸い杞憂に終わり、まったく別のいかにも英国的な理由でした」

 連立を組む相手政党との間で演説草稿の摺合せに手間取り、女王の演説を記す“羊皮紙”のインクが乾かないため21日に延期となった、というから悠揚迫らぬ大英帝国ではあります。

「とはいえ、女王陛下は議会では王冠は被らず、デイ・ドレスと帽子を着用することが検討されていたようです。王冠は1・5キロ以上ある重たいもの。これにローブ、宝剣、式典用帽子を身に着けると、負担は大変なものになりますから」(同)

週刊新潮 2017年6月29日号掲載

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