「産んだばかりなのに自殺も考えた」NHKで話題 世田谷区「産後うつ」への取り組み

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 27日放送のNHK「おはよう日本」の今朝のクローズアップのコーナーで、産後うつが特集された。

 実際に産後うつを経験した女性は、現在2歳になる息子が生まれた直後の様子を「2人きりのときに、泣かれるとおろおろするばかりで、息子に追い詰められているような気がした」と語る。それでも育児書通りのスケジュールをこなさないと、と頭がいっぱいになり、心身ともに疲れはてていったという。「息子のことも自分のこともどうしていいかわからず、買い物の途中で横断歩道とか高架下を覗いて、ここから落ちようとかいろいろ考えてしまった」と、産後うつの苦悩を吐露した。

 番組冒頭で紹介された漫画、『れもん、うむもん!―そしてママになるー』(はるな檸檬・著)には、出産直後、泣き止まない赤ちゃん、あげたいのに母乳が出ない、3時間おきの授乳、味方になってくれるはずの実母との大ゲンカ……とギリギリの体力の中で、それでも「きちんとやらなきゃ……」と追い詰められていくリアルな母親の気持ちが描かれている。

 深刻化すれば取り返しのつかない事件に発展しかねない産後うつ。国の調査で、出産から2週間後をピークにした1ヶ月という短い期間に産後うつのリスクが高まることがわかってきた。

番組では、いち早く産後うつの「早期発見」に取り組んでいる世田谷区の取り組みを取材。通常、産後1ヶ月で行われる検診を、2週間後に設定し、赤ちゃんの健康状態だけでなく、母親の精神状態も確認している。また産婦人科、助産師、保育師だけでなく、精神科医も交えた毎月の会合で診療科を越えて情報を共有し、母親を救おうという試みを紹介した。

デイリー新潮編集部

2017年6月27日掲載

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