アルコ&ピースのラジオ番組が「山本周五郎賞」の下敷きに 当人たちは複雑な心境を吐露

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 第30回山本周五郎賞(新潮文芸振興会主催)の受賞パーティーが、23日、都内ホテルで行われた。今回の受賞作『明るい夜に出かけて』の著者、佐藤多佳子さんをお祝いするため、急遽お笑い芸人のアルコ&ピースの2人が駆けつけ、会場は大いに盛り上がった。

 本作は、大学をある理由で休学し、コンビニでバイトをする20歳の富山が、深夜ラジオを通じて、周囲の人間と心を通わせ成長していく、青春小説だ。

 小説自体はフィクションだが、作品内には実在するラジオ番組が多数登場する。中でも小説の軸となる番組が「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」だ。昨年3月で惜しくも終了してしまった番組だが、佐藤さん自身、同番組のヘビーリスナーだったという。

 お祝いにかけつけたアルコ&ピースの2人は、佐藤さんに花束とラジオのゆかりの品であるNEW ERAの赤いキャップをサイン入りでプレゼント。佐藤さんは「やったー」と喜びを露わにした。

 記者から「自分たちのラジオ番組が出た小説が文学賞をとった驚きは?」と質問されると、アルコ&ピース・平子は「ファンの方とか、地元の両親から『おめでとう』って言われるんですけど、僕らは成し遂げてないので、ちょっと返答に困りながらも、みんなもなんて言っていいかわからない特殊なケースだと思うんで」と苦笑い。しかし「(ファンからの反応は)めちゃくちゃありますね。先生の本をファンがもってきて、開いたところで、僕らのサインをくださいって。ほんと何百冊レベルで僕らサインをしています。地方いっても、都内でも、お客さんが出待ちでサインをくださいって」と反響の大きさを明かした。

 また、小説の感想を聞かれると、アルコ&ピース・酒井は「賞までとるなんて、ほんとすごい、よく頑張りましたよ!ほんとよく頑張ったと思う!偉い!」と佐藤さんをべた褒めし、「めちゃくちゃ面白かったですし、多分賞をとるな、と思ってました。当たり前の結果ですよ」と自慢げに語った。平子は「小説の中に自分の名前だったり、言動があれだけ詳細に書かれることがなかったので、痒かったですね。痒い」と笑い、「山本周五郎賞と僕らのラジオがあまりに対極のもので。ラジオは本当に大人の方がきいたら眉をしかめるような深夜ラジオだったので、それを山本周五郎賞をとるまでに世界観を広げてくださったことに感服しております」と佐藤さんへの賛辞を述べた。

デイリー新潮編集部

2017年6月23日掲載

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