「3人制バスケ」が東京五輪の新種目になったワケ

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 2020年東京五輪の実施種目が確定した。柔道混合団体や卓球混合ダブルスなど新たな種目の中で異彩を放つのが“3人制バスケットボール”。「何それ?」と首を傾げる方も多かろう。

「私たちも驚きました」

 とは東京五輪を取材する大手紙記者である。

「国際オリンピック委員会(IOC)は大会コスト削減を目指しており、新種目は他の種目に出場する選手が兼ねるものばかり。つまり選手数が増えないようにしているのです。会場も既存のものを流用する。ところが3人制バスケだけは、選手が増え、5人制と異なる会場を新たに設けるのです」

 何か“忖度”が働いたか。

「実は、東京五輪組織委員会が国際バスケ連盟に借りを作っていたんです。各競技の会場を新設せずに既存のものを流用する、いわゆる“会場問題”が起きた際、ほとんどの競技団体が文句を言い募ったのですが、バスケはさいたまスーパーアリーナへの移転を黙って受け入れた。その代わり“3人制をよろしく。採用されたらそちらは都内で開催を”というふうに言われたそうです」

 IOCは“若者に人気”と理由を説明するが、

「リオ五輪で採用された7人制ラグビーもそうですが、時間が読める“テレビ向き”の種目だというのが決め手。3人制バスケは1ゲーム10分とスピーディなんです」

 気になるのは日本の実力だが、日本バスケ協会曰く、

「現在の国別世界ランキングは10位。昨年のU18アジア選手権で女子が優勝するなど、東京五輪世代は特に有望で、メダル獲得も夢ではありません」

 そして何を隠そう、我が国には世界初の3人制バスケのプロリーグがあるのだ。

「2014年に7チームで発足。今季は18チームに増え、6月17日に東京・立川で開幕戦が行われました」(主催者)

 9月にかけて栃木や愛知、兵庫、広島などでも開催。観戦は全試合無料である。

週刊新潮 2017年6月22日号掲載

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