「五輪400億削減はインチキ」に小池都知事が怒髪天 質問議員が語る

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■完全にまやかし

 実際に質問を行った川松都議に改めて聞くと、

「知事が主張する『400億円削減』の内訳は、予算の予備費200億円を減らし、残りの200億円は環境投資の削減です。しかし、委員会の答弁で都の塩見清仁オリンピック・パラリンピック準備局長は、削減した環境対策費については『財源を新たにグリーンボンドに求める』と明確に認める発言をしました。選挙前だからか大半のマスコミは取り上げませんでしたが、これは重大な問題です」

 確かに400億円は削減したように見えるが、実際はグリーンボンドという都債で賄う。つまりは、予算の付け替えに過ぎないというのだ。川松氏が続ける。

「都債はいわば借金ですから、最終的には都民の税金として跳ね返ってくる。これまで小池知事が盛んに強調してきた削減の成果は、完全にまやかしなんです」

 これらの追及に対して知事はどう答えたのか。再び議事録に戻ってみれば、

小池知事「債権を出す、ということはすなわち借金、ということだけではございません。それをいかに活用してゆくか、このような発想が必要ではないかと考えております」

 これを受けて、川松氏はこうも反論する。

「もちろん、その発想は共有していますが、知事が“400億円削減した”と強調することは、都民にむけて“上手な印象”を作り上げているように思うのです」

 奇しくも選挙前の都議会で透けて見えた知事の詭弁、強弁は、「小池劇場」の逢魔が時を象徴してはいまいか。

ワイド特集「人生の逢魔が時」より

週刊新潮 2017年6月22日号掲載

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