禁煙社会のために人体実験を――「小池新党」公認候補の過激意見
■「人体実験」
毎年5月31日は世界禁煙デーとされており、これにあわせてさまざまな禁煙イベントが開かれるのだが、その中のひとつで、同月27日に開催されたこのサミットに彼女は参加。都民ファーストが掲げる家庭内禁煙の正当性を訴えたのである。そして同時に小池氏は、
「選挙を前にすると急にいろんなことが動き出したりするものでございます」
と、選挙の集票目当てである自身の本音をチラッと垣間見せもした。なお、そのサミットの主催者は東京都医師会であり、会場は東京・御茶ノ水の東京都医師会館だった。
さらに同サミットでは、次のような超過激な意見も飛び出した。発言の主は、サミット直前の5月25日付で都民ファーストの政策顧問に就任した弁護士の岡本光樹氏(34)である。
彼はこう言い切った。
「(iQOS(アイコス)などの)加熱式煙草の受動喫煙の研究が遅れている。実際、加熱式煙草で気分が悪くなる、あるいは喘息の発作が起こる方に、人体実験になってしまいますが、目隠しをして、普通の煙草、加熱式煙草、何もないところ、それぞれ比較して発作が起こるかどうか、気分が悪くなるか検証して、エビデンス(証拠)を作っていただきたい」
厚労省が今国会での成立を目指した受動喫煙防止法(健康増進法改正)案では、加熱式煙草による受動喫煙被害は定かではないと、加熱式煙草を規制対象に含めるかどうか、結論が先送りにされていた。それに不満な都民ファーストの政策顧問である岡本氏は、ならば人体実験をしてみればいいと言い放ったのである。
小池氏および都民ファーストが禁煙社会を謳(うた)うのは自由ではある。しかし、それを実現するために人体実験せよとは、狂気の沙汰としか言いようがあるまい。まさに目的のために手段を選ばない、究極のファシズムだ。
これに倣(なら)えば、豊洲と築地のどっちが危険か、それぞれの市場の魚を都民に食べさせ、どれだけ被害が出るかを比べる人体実験を行ってから、移転問題を判断しようということになってしまう。
結局、6月1日の総決起大会で小池氏が言ったところの「同志」とは岡本氏のような人のことなのである。
当の岡本氏は、
「人体実験すべきだと言ったわけではなく、提案しただけです」
と、苦しい弁明。ちなみにこのサミットの4日後に、彼は都議選における都民ファーストの公認候補に決まった。小池氏が、いかに「人体実験の岡本」を買っているかが分かる。
また同サミットでは、北海道の女性大学教授が、
「(学内の)掘っ立て小屋に喫煙者がみんな集まって来て、そこがガス室状態になっている」
こう発言し、これを受けた東京都医師会の理事が、
「外から鍵をかけちゃえ」
と、喫煙者を監禁せよと言っているに等しい応じ方をした一幕もあった。
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