ラルク・tetsuya「ファンを悲しませることはない」 解散危機に4人のスタンスは
■競売物件にも…
この取引の直前、彼は後述する恵比寿のペントハウスを購入しているから、その資金が必要だったのかもしれない。次に、コンサルタントは、「下目黒6丁目における建物の所有権」の流れに着目する。
「98年、大石が建物を新築した後、『大石→ラルク所属会社→大石→土地取引会社』の順に建物の所有権だけが移ります。個人が法人に売り渡すたび、大石には売却金が入ることになる。また、土地建物をセットで売買するのが普通ですよね。でも、建物のみを売るというのは建物の所有者に土地を貸している状態に相当し、つまり、大石自身が代表を務める法人から大石個人が地代を受け取れる形になるわけです」
個人と会社が一体化した売買で、その順序や時期が完璧な計画の元に実行されている。次に、下目黒2丁目の物件(図で②)について。
「売却によって3億円の利益を得ていますね。実はここは競売物件だったのですが、それが取り下げられて大石の土地取引会社が購入しました。これは『任意売却』と言って、競売で高い値が付く前に確実に物件を手にすることができる。競売物件など普通の人は手を出さないのはご承知の通りです」(同)
そして恵比寿ガーデンプレイス隣にある32階建てのタワマン。06年、ラルク所属会社名義で30坪弱のペントハウス(図で③)を購入し、3億円強の抵当権を設定。2年後にはこれを大石会長個人に売却し、新たに2・7億円の抵当がついている。
「抵当の額面上、約2割のディスカウントがありますが、あの頃は地価が高く、短期間でそこまで下がるとは思えません。贈与税がかからない範囲で値引きされたのでしょう。また、会社から個人に売る場合は仲介費用は不要だから、最初から個人で買うよりも8000万円ほど安く手に入れた計算になるのです」(同)
[2/5ページ]