野球部監督の“鉄拳制裁”発覚、怪文書も 日本一のスポーツ校「東福岡高」
日本一のスポーツ強豪校が大揺れだ。野球部の監督が、部員たちに“愛の鞭”ならぬ、鉄拳制裁を加えていたことが発覚。怪文書も飛び交い、生徒や父兄からは、監督の“余罪”が次々と聞こえてくるのだ。
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ラグビー部は全国大会で13回の優勝、日本代表の長友佑都らが輩出したサッカー部は国内外の主要大会で9回、さらに、バレーボール部も9度全国一に輝くなど、スポーツ界に名を轟かせている九州の東福岡高校で、その問題は起きていた。
地元記者が言う。
「監督による部員への暴力が明るみに出たのは、今年3月。高野連の上部組織にあたる日本学生野球協会が、監督に対して1カ月の謹慎処分を出したと発表しました。暴力沙汰が起きたのは、今年1月、監督が練習後に掃除をサボっていた部員を見つけると、無関係の主将を呼び、“お前がしっかりしないからだ”と胸倉を掴んで、10メートルほど押したというのです」
謹慎となったのは同校の体育教師で、野球部の葛谷修監督(59)。40年近く野球部の指導に当たり、優勝経験こそないが、春夏合わせて6回も甲子園に導いた実績を持つ。その一方で、
「実は、日常的に監督が部員たちに暴力を振るっていたことが分かったのです」
と言うのは、部員の父兄の1人だ。
「暴力はあったが怪我をしていないという理由で、協会の処分は1カ月でしたが、学校内でも調査することになり、野球部長らが部員に聞いて回りました。すると、“実は、あった”といった声が卒業間近の部員たちから多数、上がったのです」
これまで口にしなかったのは、監督の耳に入れば、主要メンバーから外されると考えたからだという。
「子供たちによると、監督は、人が見ていない場所で手を出すそうです。主に相撲のツッパリのように顎のあたりを何度も叩くのですが、エスカレートすると人目も気にせず、パイプ椅子を投げつけたこともあった。昨年5月には、遠征先で、スコアーを付けていた部員の腰に後ろから、突然、蹴りを入れたこともあったそうです」(別の父兄)
■この件は終わっている
そんな声が聞き取り調査で上がったため、実際に監督が復帰したのは4月中旬。その間には、学校が黙殺すると考えた父兄が作成したと思われる怪文書が、部員らの家や役所に送られることも。文書には、暴行を受けた部員の名とともに《叩かれ鼻血が出ていた》《背中を何度も蹴られた》などと書き記されていた。
以前であれば当たり前だった体罰も、今の世の中では即アウト。葛谷監督にその認識があったかどうか聞いてみると、
「私はもう処分を受けましたので、この件は終わっております」
と言うのみ。代わりに副校長が引き取って、
「学校は、怪文書に書かれた部員を対象に聞き取りをしました。結果、謹慎対象以外に、暴力はなかったとの判断です。部内が分裂し、監督を降ろしたい一派が言っているだけ」
だが、さる父兄は、
「約750人いるOB会員のうち、OB会に顔を出すのは50人ほど。皆が“監督がいるから行かない”と言います。親としては、そんな悲しい状況を何とかしたい」
納得しない父兄たちは、監督の退職を求めて訴え続けるというから、しばらく騒動は収まりそうにない。
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