「食道」「気道」使い分けの「反射神経」鍛錬にカプサイシンが効く!

ドクター新潮 医療 肺炎

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 人は年を取ることによって物を飲み込む筋力と、反射神経が衰えてしまうものだ。なるべく衰えさせない方法はないものだろうか。

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 食べ物が喉を通る際、気管は瞬時に閉じられ、食道が開くようになっている。その時間は0・8秒、嚥下は一瞬の連係プレーで行われるのだ。そして、食べ物が間違って気道に入り込んでも、むせたり咳き込んだりすることで排出される仕組みになっている。その鍵を握っているのが「サブスタンスP」というペプチドだ。

 口腔医学に詳しい歯科医師の米山武義氏(米山歯科クリニック院長)が解説する。

「サブスタンスPが分泌されると、飲み込みと吐き出しの2種類の反射を促すように脳に働きかけるのです」

 年を取ったり脳梗塞等を起こしたりすると、この物質の分泌が減少する。結果、反射が鈍くなり誤嚥が起きてしまうのだが、これを防いでくれるのが唐辛子や黒胡椒などのスパイスだ。

「唐辛子などの辛味成分として知られているカプサイシンには、サブスタンスPを強力に放出させる働きがあります。キムチなどの唐辛子が入った食べ物を普段から摂取するのも良いことです」(同)

 毎日キムチを食べるなんて無理、あるいは辛い物が苦手というのなら、カプサイシンが含まれたトローチが薬局で売られている。

「また、黒胡椒は、その成分を含んだアロマパッチもあります。毎日1枚、喉の近くの下着の内側に貼っておくだけでいいから簡単です」(同)

 灯台下暗し、意外な食べ物が誤嚥に効くというのである。

特集「がんより怖い『誤嚥性肺炎』を防ぐ完全ガイド」より

週刊新潮 2017年6月8日号掲載

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