英メイ首相を“嘘つき”と歌う楽曲、チャート1位に

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 ♪彼女は嘘つき嘘つき(ライアーライアー)。あんな人、信じられないよね。

「Liar Liar GE2017」なる曲が、英国で突如としてリリースされたのは5月26日。そしてたった5日間で全英ヒットチャートのNo.1に躍り出た。

「先日、“テロに負けない”と、アリアナ・グランデがマンチェスターでチャリティーコンサートを成功させましたよね。だけど、その彼女の最新シングルでもおかげで2位止まりです」

 と話すのは、ある音楽業界関係者。

「歌詞に合わせてテリーザ・メイ首相の表情や演説を茶化したビデオクリップもユーチューブで公開。今や250万再生目前です」

 この歌を出したCaptain SKA(キャプテンスカ)というバンドの狙いが、6月8日投開票の英下院総選挙(GE:ゼネラルエレクション)にあるのは明らか。だが、簡単にNo.1になれるほどUK音楽界も甘くはないはずだが……。

「じつは2010年にも『Liar Liar』という歌で当時のキャメロン首相を標的にしています。でも、その時はさほど評判にはなりませんでした」

 と在英の国際ジャーナリスト、木村正人氏は言う。

「曲調や歌詞などはだいたい今度も同じ。ところが、怖い女性校長風のメイ首相のキャラクターを上手く捉えたビデオと、貧富の差が激しくなった最近の社会情勢が妙にマッチして、英国人のツボにはまったのです」

 ♪看護婦はお腹ペコペコ、学校はボロボロ──。

「医療や教育など、7年続いた保守党政権で公共サービスが傷んでいるのはたしか。保守党支持者でさえ秘かに“そうだよね”と思えるところがあるのもヒットの理由でしょう」(同)

 当初、圧勝とされた保守党もジリジリと後退。その陰にはこの歌があったのだ。

週刊新潮 2017年6月15日号掲載

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