嫌煙家・塩崎厚労相、「受動喫煙法案」見送りで孤立

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昔は吸っていたのに

 誰よりも煙草を毛嫌いしている与党随一の嫌煙家・塩崎恭久厚労相(66)が、皮肉にも今や“煙たがられる男”になっている。

 受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正法案の内容を巡って、自民党と真正面から対立しているのだ。

 政治部デスクが解説する。

「去年の10月に塩崎さんが、『飲食店内は原則禁煙』という極端な厚労省案を党に提出したのですが、“そんなことをしたら地方の飲食店が潰れてしまう”と、党内から猛反発を喰らいました。党側は対案を出し、なんとか折衷案を模索しようと試みたのですが……」

 多少の譲歩はあったものの、両者とも自らの案に固執。互いに譲ることなく、結局この法案は、成立はおろか、提出さえできぬまま、国会は幕を閉じることになる見通し。

 これに怒り心頭なのが、他ならぬ自民幹部である。

「塩崎さんは頭でっかちな人だから、翻意させるのは骨だとは思っていたけど、今回はさすがに呆れた。菅さん(官房長官)や党の重鎮が何度も水面下で交渉しているのに、聞く耳ゼロ。妥協という言葉を知らない」

 別の政治部記者が続ける。

「塩崎さんがどこまでも強気なのは、『世論は自分の案を望んでいる』という確信があるからです」

 それに加えて、

「盟友の安倍さんが味方してくれるのではという期待があったのです。しかし、安倍さんは今それどころではない。結局、塩崎さん1人が孤立したのです」(同)

 自民党は9月からの臨時国会で成立を目指すつもりだが、

「塩崎さんが厚労相になってこの9月で丸3年。そろそろご勇退いただいて、新しい大臣の下で進めればいいという声が広がっています」(先の自民幹部)

“煙”と共に去りぬ?

週刊新潮 2017年6月15日号掲載

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