「三菱東京UFJ銀行」頭取のスピード退任 板挟みで心労説
三菱東京UFJ銀行
その一報に金融界が震撼した。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱東京UFJ銀行が、小山田隆頭取(61)の退任を発表したのだ。就任からわずか1年での“電撃退任”。一体、何があったのか。
5月24日の“頭取退任記者会見”に出席したのは2人。そこに当事者の小山田頭取の姿はなく、顔を見せたのはMUFG社長を兼務する平野信行会長(65)と、新頭取に選任された三毛兼承(かねつぐ)副頭取(60)だった。ライバル行の幹部は、こう疑問を口にする。
「三菱東京UFJ銀行の頭取の任期は通例4年です。昨年4月に頭取に就任したばかりの小山田さんは、わずか1年のスピード退任。加えて、この4月には全国銀行協会の会長に就任していましたから、こちらは2カ月で辞めることになってしまった。前代未聞の退任劇です」
平野会長は、記者会見で小山田氏の退任理由を“体調不良”としか説明しなかった。
「大企業の役員の間では、最低1年に1度は人間ドックで精密検査を受けるのが常識。小山田さんも頭取に就任する直前にドクターチェックをパスしていたはず。“急性の血液ガン”だと断言する三菱東京UFJ銀行OBもいますが、俄かには信じ難い」(同)
小山田氏は1979年に東大経済学部を卒業後、旧三菱銀行に入行。主に企画畑を歩み、早くから将来の頭取候補の1人と目され、“プリンス”と呼ばれていた。が、実力を発揮することなく、表舞台から去ってしまったのだ。
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