眞子さまご婚約の裏で…「陛下はご不満」「安倍官邸は怒髪天」対立の構図

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菅義偉官房長官

■“いる意味がない”

 そこで、政治部デスクに官邸側の動きを紹介してもらうと、

「NHKの報道があった夜、菅さん(義偉官房長官)は苛立った感じでした。番記者とのオフレコ懇談の場で、“婚約の噂があるのは知っていたけど”としつつも、“また皇室から離脱される方が出ましたが”という質問にはほっかむりの体だったからです」

 女性宮家問題と絡めて語られるのを忌避したいと顔に書いてあったとかなかったとか。

 官邸関係者が後を受け、

「菅さんの苛立ちは当然のように宮内庁へ向けられていて、ある席では、“河相(周夫)はどっち向いて仕事してるんだ”と、陛下に仕える侍従長を詰(なじ)っていました」

 河相侍従長が陛下のために粉骨砕身するのはその肩書から言って当然のこと。とはいえ菅官房長官が腹に据えかねたのは、陛下周辺の意を受けた侍従長が、民進党の野田佳彦幹事長と接触したりするなど、退位を「一代限り」ではなく「恒久的」なものにする可能性を探っていたことについてだ。それに加えて、

「官邸内の声を拾っても、“女性宮家の議論を盛り上げようとしているんだろうけど宮内庁はやり過ぎだ”というものばかり。元警視総監で内閣危機管理監を務めた西村(泰彦)さんを宮内庁に次長として送り込んでいたんですが、“全く機能していないというよりは完全に外されている。いる意味がないよね”などと、更迭を匂わせるような発言も官邸幹部から出ています」(同)

 その口ぶりから察すると、思い切り踏まれた尾の痛みが随分と長引いているようだ。ともあれ、改めて宮内庁担当記者の言葉を借りれば、

「生前退位に関する特例法案が閣議決定される『5月19日より前』、というのが大きかったと思います」

 ということになる。記者が続ける、NHK報道がこのタイミングでなければならなかった理由は傾聴に値する。

「眞子さまに親しい男性がいるということについて、各社はそれなりに把握していました。それがご結婚に至るかどうか、なかなか確証が持てないからどこも報じなかったわけですが、NHKは何か確かなものを掴んだんでしょう」

 宮内庁としても、退位法案が成立した後、ご婚約を発表する段取りではあった。しかしながら、

「それだと、陛下が望んでおられる『皇位の安定的な継承』が十分に審議されないまま話が終わってしまいかねない。皇族の数が減るんだよという事実をいわば切迫感を持って伝えるのに、眞子さまの婚約を特例法案の閣議決定前にぶつけるというのは効果的だと考えたのでしょう」

 ピンが外れた手榴弾でも首都に転がっているような情景である。

特集「『眞子さま』祝砲の不協和音」より

週刊新潮 2017年6月1日号掲載

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