カメラマン「岡田准一」撮影シーンが明かされない裏事情 映画「追憶」

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岡田准一

 ウリ文句は「第二の健さん」らしい。GW中に封切られた映画「追憶」。主演のV6岡田准一を、国民的俳優と同列に扱うには異論もあろうが、もう一つのウリは、その岡田が本編で「カメラマン」を務めたこと。ならば、どのシーンを撮影したのか知りたいところだが、その詳細は報じられていない。背景には、こんな“裏事情”があったのだ。

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 主人公の富山県警刑事役に岡田を抜擢したのは、降旗康男監督と木村大作カメラマンの「健さんコンビ」である。「居酒屋兆治」、「鉄道員(ぽっぽや)」など、数多の高倉健主演作を世に放った2人。9年ぶりにコンビを組んだ巨匠は、観客にこんなサプライズを用意していた。

 降旗監督が言う。

「岡田君にキャメラを回してごらんと言いました。映画はスクリーンの四角しかお客さんの目に映りませんから、レンズを覗けばどんな風に見えるかを目のあたりにできる。俳優にとってはいい経験だと考えました」

 公開前の各メディアでも、話題作りの一環として、「カメラマン岡田」の存在は報じられたが、肝心の撮影シーンは、「日刊スポーツ」が〈終盤のかなり重要なシーン〉であることを明かしただけ。

 共演者の誰を捉えたのか。その詳細は終ぞ明かにされることはなかったのだ。

 その謎を解く鍵は、劇場で購入できる公式パンフレットにあった。さっそく開くと、「岡田カメラマン」の撮影シーンについて説明があり、〈※本編で描かれる事件の核心についての記述が含まれています〉と断りが入った上で、後半の場面を撮影した旨が記されている。

 なんだ、そういうことかと合点するのはまだ早い。殺人事件というミステリーを扱う映画だけに、そこには秘されたもう一つの撮影シーンがあるというのだ。

「岡田さんは劇中で刑事に逮捕される俳優の遠藤要の姿も撮影しているんです。ネタバレもないストーリーの前半部分で、公開前に宣伝することも可能でした。けれど、撮影後に当の遠藤は実生活でも事件沙汰を起こした。それで、配給元も岡田さんの撮影シーンが2つあるとは言えなくなったのです」(映画業界関係者)

 今年2月、遠藤はものまねタレントの清水アキラの息子と共に、違法カジノに出入りしたことを写真誌「フライデー」に報じられた。結局、遠藤は警察のご厄介になることはなく、映画公開前の4月末に謹慎が解けて復帰しているのだ。

 改めて、コトの真相を降旗監督に聞いてみると、

「遠藤君を撮影したというのは間違いです。何故そんな話になるのか分かりません。岡田君が撮影したのはワンシーンだけです」

 配給元の東宝も、

「ご指摘のような事実は一切ございません」

 と煙に巻くばかり。スクリーンを飛び出してもなおヤンチャな役者を、刑事役の岡田がカメラに捉えた!

それだけでも十分、映画に匹敵する話だと思うのだが。

ワイド特集「虚栄の市」より

週刊新潮 2017年5月25日号掲載

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