東京五輪の新種目に名乗り フランス発祥「パルクール」とは
パルクールってなに?
新発売の蛍光灯の名前ではない。読者諸賢には知られていない、突如として2020年東京五輪の新種目に浮上したフランス発祥の体操なのだ。6日、国際体操連盟(FIG)が国際五輪委員会(IOC)に提案して世界でも注目の的に。渡邊守成FIG会長は「IOCの方向性にも合致する。五輪での種目追加を目指す」と鼻息が荒い。
では、どんな体操なのか? 百聞は一見に如かず、パルクールを知るには、鬼才リュック・ベッソン制作映画「ヤマカシ」を観るのが早道。観終ると“なある”と合点がいくでしょう。
パルクールは、壁や地形を活用して「走る・跳ぶ・登る」などの動作を複合的に行うことで、生活やスポーツの能力を鍛える体操。「競歩」のように動きを規定するルールはないので、競技というよりは運動に近いという訳だ。
創始者は、レイモン・ベル(1939〜)と息子ダヴィッド(1973〜)。軍人上がりの父が、息子を鍛えるために障害物を使うトレーニングや格闘技、器械体操を取り入れたメソッドを考案、息子が洗練させ現在の形にした。
スポーツ評論家の玉木正之氏はこう述べる。
「フランスの軍隊訓練法と関連のある体操。この種の身体の鍛練法は、ドイツと北欧が盛ん。ラテン系は珍しい。IOCは競技を増やすことには全く否定的だが、種目を増やすことには甘い。そこに入り込みたいのでしょう」
日本にもパルクール協会がすでにある。協会によると、日本の人口は1000人ほど。
「パルクールは競技ではありませんので、日本パルクール協会では、パルクールの大会・選手権・その他競技形式のイベントは開催しておりません」(同)
競技ではない? では、いったいどうやって順位を決める?? 7月のIOC理事会で結論が出る。