高樹沙耶「大麻と私」全告白(下) 保釈までの3カ月、身体検査は「屈辱的なものでした」

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■売買の疑いも

 拘置所に移ってから起訴される昨年の11月15日まで、連日7時間以上の取り調べが続きました。

 ラガーマン風のがっちりした体形の30代後半の検事が、麻薬取締官の捜査した内容をあらためて確認し、それから書面をつくって、私にサインを求めてくる。

 その繰り返しでした。

 独居房に戻ってきて、就寝時間の夜8時55分に布団に入ると、検事に対してなにか間違ったことは言わなかっただろうかとの不安がグルグルと頭のなかを駆け巡ったものです。

 起訴される2日前のことでした。検事から、「これを読んでください」と、メールのコピーを差し出されました。それには、「育ちゃんへ。浮世離れの解体作業に関してはボランティアで。お礼は食事とあれで」と書かれていた。15年の夏、台風で壊れたコテージの解体を手伝いにきた友人から送られたものでした。実は、“あれ”とは大麻のことを指し、そのメールを受け取ったとき、森山さんに「どうする?」と聞いたのを覚えています。

 その後、友人は森山さんから確かに現物を渡されたようで、麻薬取締官がその友人を調べに行くと、ちょうど大麻を手にしているところを現行犯逮捕されたのです。

 検事は、私と森山さんが売買もしていたのではないかという疑いを持っていました。私は、「大麻は森山さんのもので、誰かにあげるのも彼の一存ですから」と言い続けた。

 しかし、追及もそこまでで、検事からはその翌日、「取り調べはこれで終わりです。お疲れさまでした」と言葉をかけられ、翌々日に起訴されました。

 ところが、証拠隠滅の恐れがあるからと保釈が認められなかったのです。取り調べもなくなり、時間が有り余るほどあったので、読書に没頭しました。

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