仏新大統領、後ろ盾は“上流階級”25歳年上妻

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 仏大統領選は、史上最年少39歳のエマニュエル・マクロンの圧勝で、5月7日にようやく幕を閉じた。

「マクロンは政治的には中道。EU支持で安定していますから、これは日本にとっても良い選挙結果です」

 と解説してくれるのは在パリのある特派員。では、その人となりはどうか。

「本物の超エリート。仏最高峰の教育機関、国立行政学院(ENA)出身者は東大法学部卒など目じゃありません」

 ロスチャイルド財閥中核のロチルド銀行幹部を経て、オランド現大統領の引きで大統領府に入り副事務総長になったのが5年前。

「そして2年半前に経済産業デジタル相への大抜擢で、注目されるのです。嫌味なエリート臭はなく、むしろお軽いところがあるほど。そこが好感されて『前進(アンマルシュ)!』という政治運動をスタートしたのはわずか1年前でした」(同)

 トントン拍子の半生だが、異彩を放つのは25歳年上のブリジット夫人の存在だ。

 15歳の時、仏北部アミアン市の高校教師だった彼女と演劇部の活動を通じて恋仲に。しかし、立場や年の差に加え、彼女は3人も子供のいる人妻。さすがに2人の仲は一時引き裂かれる。が、それでもついに10年前、正式に結婚した。

「その熱情には感心する他ないですが、選挙戦での問題は年の差婚よりむしろ夫人の出身階層でした。一目で上流と分かる出で立ちと立ち居振る舞いなんです」

 と話すのは、在仏ジャーナリストの広岡裕児氏。夫人の実家は、アミアンでは有名なチョコレート店・トロニューを経営している。

「有力週刊誌パリ・マッチに登場するなど、本人は出たがり。彼女がマクロンの人格に大きな影響をもたらしているのも間違いありません。でも、選挙中は下層階級の反発を呼ばないように、周囲が彼女の露出を極力抑え、それが奏功しました。しかし仏大統領は、サルコジでも今のオランドでも、その座に就くと暴走しますからねえ……」

 ここでも夫人への“忖度”が蔓延しないよう祈りたい。

週刊新潮 2017年5月18日菖蒲月増大号掲載

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