120歳まで生きたい「オノ・ヨーコ」の認知症 周囲が感じていた“異変”
■実弟が病状を告白「オノ・ヨーコ」の幻覚型認知症(下)
オノ・ヨーコ(84)がレビー小体型認知症(DLB)であることを、実弟の啓輔氏(80)が明かす。啓輔氏によれば、DLBが発覚したのは昨年の5~6月ごろ。ヨーコとジョン・レノンの子であるショーンから聞いたという。
DLBの特徴的な症状には幻視があり、「何もいないのに“犬がいる”と訴えたりするように、『ないものが見えてしまう』」(東大大学院医学系研究科の岩坪威教授)。1976年に発見されたこの病気の進行を止めることは難しいという。
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ちょうどその76年というのは、ヨーコとジョン・レノンとのあいだにショーンが生まれた翌年で、ジョンが主夫となって家事を担当するなど、先進的な夫婦を演じていたころだ。
華麗なる一族の系譜は図の通り。ひとくさりをひもといてみることにしよう。
ヨーコの母方の曽祖父は安田財閥を一代で築き上げた安田善次郎である。側室との間の子・暉子(てるこ)が安田銀行行員を婿養子として迎え、2男1女に恵まれた。その娘・磯子と東京銀行の常務まで務めた小野英輔とが結ばれ、最初の子供を授かるのが1933年。太平洋の「洋」を取って洋子と名付けられた。
今度は小野家の血筋を見て行くと、英輔の一番上の兄は当時のサンクトペテルブルグ大で動物学を専攻するなかでロシア人女性と恋に落ちている。3兄弟の父、すなわちヨーコから見て父方の祖父は日本興業銀行の総裁となった英二郎だ。
戦前・戦後にかけ、波濤万里の道のりを越えるように日米を何度も往来した洋子は、2度の結婚・離婚を経るなかでオノ・ヨーコへと飛翔して行く。
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