ドン内田の危機に一肌脱いだ 「かんだやぶそば」四代目

国内 社会

  • ブックマーク

内田茂氏

 蕎麦と政治。蕎麦打ちの名人が、策を“打った”のだろうか。都議会のドン、内田茂氏(78)が務めていた自民党千代田総支部長に、老舗蕎麦屋「かんだやぶそば」四代目店主の堀田康彦氏(72)が就任することが決まったのだ。都政担当記者の話。

「内田さんはすでに今年7月の都議選への不出馬を表明し、支部長を辞任。後任が注目されていました」

 かんだやぶそばは明治13年に創業。4年前には火事に見舞われ、一時休業の憂き目に遭うものの、新店舗で再開。池波正太郎が愛したことでも知られる名店中の名店だ。その店主が一体なぜ?

「実は堀田さんと自民党には浅からぬ縁があります。2月に行われた千代田区長選では自民党陣営で有志を集め、選挙の手伝いをしていましたし、先代の三代目は与謝野馨さんの後援会長を務めていたこともありました。苦戦必至の都議選を控える中、支部長は他になり手がなく、区議らが“どうしても”と、頼み込んだのです」(同)

 つまり、火中の栗を拾った、というわけだが、

「内田さんは小学校時代の先輩なんですよ」

 と、堀田氏ご本人が話す。

「子どもも同級生で、数十年来のお付き合いです。商売上の関係ではないので、お店に来たりはしませんけどね。お店の方も一段落したので、お引き受けすることにしました」

 もちろん、都議選で待ち受けるはドンの宿敵である。小池百合子都知事率いる都民ファーストの会は、千代田選挙区で、樋口建史元警視総監の長男を出馬させる予定だ。

「自民党候補は現在、公募を終え、選定すべく協議中です。決まり次第、責任者として活動するつもり。候補者を様々な場所で区民に紹介していきます」(同)

 蕎麦つゆのごとく、引き立て役に徹するという。

週刊新潮 2017年4月27日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。