稀代の政商「小佐野賢治」国際興業社長 古寺の軒先が極貧の原風景
寒村の古寺の軒先を借りて雨露をしのぎながら、少年は、桑畑の灰色の風景を見ていた。この時、彼の胸に去来したのは、極貧の生まれに対する呪詛か、豊かな未来への渇望か。長じて、彼は、「10兆円を動かす」ほどの大資産家となった。時の政権中枢と結んで、バス事業や不動産、ホテル運営などを手がけ、一代で巨万の富を築いた、「国際興業」グループ総帥、小佐野賢治である。「昭和」という激動の時代はいかにして、「稀代の政商」を産み落としたのか――。
「記憶にございません」
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